福岡市 整形外科医院火災 ⇒「有床診療所火災対策検討部会」でスプリンクラー設置基準の議論 消防庁

スプリンクラー設置基準議論へ
2013年11月07日 NHK福岡放送局

福岡市の整形外科医院で入院患者など10人が死亡した火事を受けて、入院施設がある「有床診療所」と呼ばれる医療機関の防火対策を話し合う検討会の初会合が開かれ、スプリンクラーの設置基準を厳しくすることなどについて議論していくことになりました。
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この検討会は総務省消防庁が設置したもので、初会合には有床診療所の全国協議会の会長や専門家などおよそ20人が参加しました。10人が死亡した福岡市の整形外科医院の火事では▼スプリンクラーが設置されていなかったことや▼防火扉が閉まらなかったことなどが被害を拡大させたとみられています。
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会議では現在、床面積の合計が6000平方メートル以上の診療所に設置が義務づけられているスプリンクラーについて、設置基準をより厳しくすることも必要だという意見が出されました。

これに対しては、全国の有床診療所の3割が赤字経営に陥っているとして、設置を進めるには国の補助が欠かせないという指摘も出されました。また、▼防火設備の点検や避難訓練の実施といったソフト面の対策が重要だという意見も出されました。

検討会ではこうした意見を踏まえて年度内をメドに報告書をまとめることにしています。

(春之介のコメント)
長崎のグループホーム火災に次いで、それ以上に基準が甘かった有床診療所での火災によりスプリンクラー設置の具体化が協議される。

この火災で、有床診療所が置かれている現状が認識されるとともに、防火・安全面での不安がクローズアップされた。

特に一般病院から早期に追い出された患者たちが、地域の有床診療所に入るケースが多くあり、それらの患者たちはむろん自力で脱出できないほど重篤な人たちであることだ。

また有床診療所の数は減少傾向が続いており、行き場を失った患者たちが怪しい介護施設まがいのところで暮らすという、さらに危険な環境に置かれている。

現在、大病院でも経営に苦しんでいる状況では、有床診療所が経営的に難しいのは分かるにしても、彼らにだけ負担を負わせることは難しい。

この整形外科医院だが、地元市民からの評判もよく、医師の信頼も厚かっただけに大きな衝撃を与えた。

形だけの防火設備・防火訓練だけが効果がないものであるか、また最悪の事態は考えたこともないという意識は、この事件だけではない。

この国の医療の貧困を見る思いがするが、医療制度の矛盾はこうした点にも表出した。


<以下参考>
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<以下追加引用>
診療所などに自動火災報知設備を義務付け- 消防庁案、基準見直し対象拡大
2013年11月13日 キャリアブレイン

 消防庁は消防法施行令を改正し、これまで一部の病院や診療所で適用外だった自動火災報知設備を義務付ける方針を決めた。また、火災発生時に自力避難の困難な入所者がいる社会福祉施設についても、原則として全施設にスプリンクラー設置を義務付ける案を示した。【新井哉】

 自動火災報知設備の設置基準が見直される施設は、病院や診療所、旅館、小規模なホテルなど。これまで就寝用の居室を持つ施設の場合、延べ面積300平方メートル以上は、自動火災報知設備の設置が義務付けられていた。

 今回の見直し案では、この範囲を事実上撤廃し、「延べ面積にかかわらず設置する」とした。自力避難が困難な入所者がいる社会福祉施設は、既に義務付けられていたが、それ以外の社会福祉施設も対象になる見通しだ。

■特養や老健には、スプリンクラーの設置義務付け

 また、スプリンクラー設備の基準見直しも提案。現在、避難が困難な入所者がいる社会福祉施設は、延べ面積275平方メートル以上が義務付けの対象だが、延焼の抑制構造を持つ施設を除き、全施設に対象を拡大する。

 具体的には特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、小規模多機能型居宅介護、ショートステイ、グループホームなどの事業所に設置が義務付けられる。ただ、避難に介助が必要な入所者が多数を占めない施設であれば、現行の設置基準に据え置く方針だ。

 消防庁は、この施行令改正案のパブリックコメントを来月上旬まで募集した上で、2014年中の閣議決定、15年4月の施行を目指している。

<以下引用>
スプリンクラー、医院に半額補助へ 厚労省、福岡火災で
2013年11月25日 朝日新聞

 福岡市で10人が死亡した医院火災を受け厚生労働省は、入院機能がある小規模医院に、スプリンクラー設置費用の半額を補助する方針を決めた。今年度の補正予算案に100億円程度を盛り込む方針。未設置の医院が多いことから、費用面で防火対策を後押しする。

 対象は19人まで入院できる有床診療所で、全国に約9300施設ある。スプリンクラーの義務づけは6千平方メートル以上の施設で、病院の3千平方メートル以上よりも基準が緩い。多くは義務付け対象でないうえ、設置費用も1千万円ほどかかり、大半が未設置だ。

 設置基準の見直しや防火対策の強化は、総務省消防庁の検討会で議論されている。経営が厳しい有床診療所が少なくないため、日本医師会などが設置費用の補助を求めていた。希望施設を募り、新年度の早い時期に設置できるようにする。

 全国有床診療所連絡協議会による福岡の火災後の調査では、回答した803施設の94%が未設置。設置が義務化された場合、設置するとしたのは13%にとどまり、57%は補助金があれば設置、25%は入院ベッドの廃止を検討と答えていた。【阿部彰芳、辻外記子】
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by negitoromirumiru | 2013-11-09 03:05 | 医療 | Comments(0)


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