札幌市が北海道大学に「児童精神医学講座」(寄附講座)設置 市児童心療センター医師一斉退職を受けて

児童精神科医確保へ寄付講座
2013年11月04日 NHK札幌放送局

子どもの自閉症やうつ病などを専門に治療する、児童精神科の医師の確保が課題になっていることから、札幌市は、北海道大学に人件費などを寄付して医師を養成する講座を設けることになりました。児童精神科は、子どもの発達に応じた診断や治療が必要で専門性が高いため医師が少なく、札幌市では、「児童心療センター」で、ことしに入り複数の児童精神科医が勤務の負担が重いことなどを理由に一斉に退職するなど、医師の確保が課題になっています。

このため札幌市は、北海道大学に、来年度から5年間、人件費や研究費など年間3000万円の寄付を行って、児童精神科医を養成するための講座を設けることになりました。

今後、北大での審査を経て正式に設置が決まる見通しで、医学部の6年生と大学院生、後期研修医を対象とする講座にして、早ければ3年後から毎年数人の児童精神科医を養成できるということです。札幌市は、「医師を養成するシステムを作ることで、将来にわたり札幌の児童精神科医療を維持していきたい」としています。北大で自治体の寄付講座が設置されるのは初めてです。

(春之介のコメント)
こうした地域の実情は全国的に報道されることが難しい。

札幌市にあった治療機関で起きた医師の大量退職が引き金となって顕在化したようだ。

背景には以下にあるように、この領域の医療需要が大きく拡大していることだ。

そのために勤務医の負担は非常に大きくなっていることは予想されるが、医師側の要望が市当局に聞き入れられないことは容易に想像できる。

さて札幌市では、この病院を含めて地域の医療体制をも含めて児童精神領域の医療需要について検討して北海道大学に寄付講座を作り、児童精神科医養成に取り組むということになったようだ。

以下の審議会の詳しい内容を見る余裕はないが、単純には人員を増やすしかないように感じるが難しい現状があるようだ。

記事とは関係ないが、発達障がいはじめとする診断基準に疑問を持っている関係者らは多い。

つまり作られた病気があって、効能があるとする新薬が登場し、それが様々な弊害を起こしているというのが現状ではないだろうか。

そして国の政策として、児童精神科領域の医師養成をどう考えるということと、心理職や福祉職といった医師を支える専門家をどう養成し位置づけるかを考えないと、医師だけ増員しても難しいのではないだろうか。

医師の一斉退職などが各地の病院で散見される時代になっており、都市での医師過剰と地方都市や僻地での医師不足に対して、個人の熱意・努力だけに頼ることは不可能だろう。

医師の卵たちも、過剰労働が予想される診療科で学ぶことを避ける傾向は続いているわけであり矛盾は大きい。

これは北海道だけの話では済まされず、いずれ近隣の医療体制の問題として顕在化することは覚悟しないといけないことだろう。


札幌市児童心療センター  http://www.city.sapporo.jp/jidoshinryo/jidoshinryo.html
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<以下参考>
児童精神科医療のあり方検討について (札幌市、外部リンク)
札幌市保健福祉局障がい保健福祉部障がい福祉課

札幌市では、平成24年の札幌市児童心療センターの医師退職への対応等の一環として、札幌市精神保健福祉審議会に「札幌市における児童精神科医療のあり方」について諮問し、現在、審議会内に検討部会を設け、検討を行っております。


緊 急 提 言 書

平成25年3月12日に、「札幌市における児童精神科医療のあり方」につきまして、当審議会が諮問を受け、以降、当審議会内に検討部会を設け、本年10月の答申に向け検討を進めておりますが、緊急に札幌市に実施を求める事項が生じましたので、別紙事項について緊急提言をいたします。
札幌市におかれましては、この緊急提言の趣旨等を鑑み、早急に実施について検討を行っていただきますようお願いします。

平成25年 7月12日

札幌市長 上 田 文 雄 様

札幌市精神保健福祉審議会 会長 齋藤 利和
札幌市精神保健福祉審議会 児童精神科医療検討部会 部会長 久住 一郎


1 緊急提言項目

 札幌市の寄附により、「児童精神医学講座」(寄附講座)を大学に設置すること。

2 緊急提言を行う趣旨、理由

昨年の児童心療センターの医師の退職表明を受け、北海道大学では、札幌市からの依頼により、後任の医師を確保すべく、全国各地に打診したが、結果として医師を配置することができなかった。

これは、児童心療センター内の運営が混乱していたことも一因としてあると考えるが、全国的に児童精神科の医師が不足していることが一番大きな要因と考える。

特に、近年の発達障がいという疾患概念の普及に伴う受診患者数の急激な増加に対して、専門の医療機関や児童精神科医が絶対的に不足しており、若い医師が児童精神科を学んでみたいという動機付けを持てるような魅力的な教育システムの構築が不可欠であるが、北海道大学にも札幌医科大学にも児童精神医学講座は存在しておらず、児童精神科を学びたい医師がいても、その教育システムは北海道内には無い状況である。

来年4月に卒業する学生が児童精神科医を目指したとしても、経験を積んで児童精神科医として業務が可能になるのは早くとも6~7年後である。したがって、児童精神医学講座を大学に設置するのは早急にしなければならない事項であり、平成 26 年度当初から設置する必要があると考えている。

本来、本案件は全ての答申と一体化して提案されるべきであるが、本年 10 月以降から準備して公募を開始しても、来年度当初から勤務できる優秀なスタッフ(教授1名、助教2名)を集めることは困難になることが予測されるため、前倒しの緊急提言となった。

幸いにも札幌市は、現在の児童心療センターをはじめ、児童精神科の医療機関が全国的に見ても少なくない状況であるが、児童心療センターがそうであったように、どの医療機関も後任の養成には苦慮している実態がある。

この寄附講座を設置した場合、これらの医療機関とチームを組んで、診療、教育、研究を行うことにより、市内の児童精神科医療機関の安定的な医師供給体制の構築等に資することになり、他都市には例のない新たな児童精神科医の養成システムを確立できる可能性があると思われる。



第3回札幌市精神保健福祉審議会 児童精神科医療検討部会 審議結果等 概要
 平成25年6月17日
 PDF

答申書(平成25年10月30日 札幌市に答申) PDF
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by negitoromirumiru | 2013-11-05 17:19 | 医療 | Comments(0)


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