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大阪府淀川区役所が「LGBT(性的少数者)支援宣言」表明 偏見から当事者を守る行政の取組みとは!?

LGBT支援宣言:性的少数者支援へ、淀川区が宣言 「人権守るのは行政の役割」 /大阪
2013年10月04日 毎日新聞 地方版

 大阪市の淀川区役所が9月1日、ホームページや広報誌でレズビアン(女性同性愛者)やゲイ(男性同性愛者)など性的少数者(LGBT)を応援する「LGBT支援宣言」を打ち出した。日本でも、LGBTの社員が働きやすい環境整備に取り組む企業が増えているが、行政が積極的に「支援」に乗り出すのは異例だ。【遠藤孝康】

 LGBTへの偏見が当事者の若者の自殺につながっているとの指摘もあり、榊正文区長は「マイノリティーを支援し、その人権を守るのは行政の役割だ」と話す。宣言は、「多様な方々がいきいきと暮らせるまちの実現のため、LGBTの方々の人権を尊重します!」としたうえで、LGBTに関する、職員研修の実施▽正しい情報の発信▽活動への支援▽相談の受け付け−の4項目を挙げる。

 榊区長は昨年8月に公募で就任。区の人権施策を検討する中で、LGBTの問題を知り、取り組みを先導した。今年6月には、同性愛者であることを公表している在大阪・神戸米総領事、パトリック・J・リネハンさんらをゲストに迎え、区内でLGBTをテーマにした講演会を企画。その後もLGBTの市民から、抱える悩みなどを聴く中で、今回の宣言に至った。

 電通総研が昨年、国内の成人男女7万人を対象に行った調査では、自分がLGBTと答えた人が5・2%いた。だが、同性婚の認められていない日本では、欧米に比べ、多様な性のあり方への理解が薄く、同性愛などは趣味指向の問題と片付けられてきた。

 今回の宣言の背景には、そうしたLGBTへの偏見や無理解が、若者の自殺を招いているという危機感がある。榊区長は「誰にも相談できず、自傷行為に走ったり、学校に行けず、引きこもるケースもあると聞く。現状、予算はないが、行政として支援宣言で一歩を踏みだそうということだ」とする。

 宣言には、LGBTの当事者からツイッター上で「勇気付けられた」などの反響が相次ぐ。区では早速、先月4日、職員への研修を行った。今月2日には、多様性の象徴とされるレインボー旗を区役所に掲げ、12日に大阪市内で行われる、性の多様性をアピールする「関西レインボーパレード」にも職員有志で参加する予定という。

 ■ことば ◇LGBT
 レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人=性同一性障害)の頭文字を並べた性的マイノリティーの総称。国は、昨年改定された自殺総合対策大綱で性的マイノリティーについて、「自殺念慮の割合が高いと指摘されている」とし、「理解促進の取り組みを推進する」としている。

(春之介のコメント)
日本では、ゲイやバイセクシャルの男性の自殺未遂リスクは異性愛男性に比較して約6倍というデータ(日高庸晴宝塚大学看護学部准教授らの調査)があり、LGBTへの市民・区民の理解を深めていただくため、区役所も支援に取り組む必要があると考えます。(淀川区役所)

上記に関連した日高准教授の研究の一端は、このPDFから。その他

そのまとめとして、

異性愛であることが前提と考えられる社会において、ゲイ・バイセクシュアル男性は生きづらさを抱えていることが容易に推測出来ます。国内先行研究においても、異性愛者を装う心理的葛藤が強い者ほど抑うつや不安、孤独感の強さや自尊心の低さなど、メンタルヘルスに不調があることもわかっています。

多様な社会になり価値観もさまざまになっていますが、理解できない者を排除する空気は日本は強いようです。

それが自殺未遂や自傷行為と深い関係を持つことは理解されやすいことだろう。

声を上げられない人たちを思うことが、結果として全体の底上げとなり社会が生きやすくなることは間違いない。


<以下参考>
自殺総合対策大綱
~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~
 PDF
(平成24年8月28日閣議決定)
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<以下引用>
「性的少数者の人権守る」淀川区が宣言 米総領事も協力
2013年10月5日 朝日新聞

 「LGBT(性的少数者)支援宣言」。大阪市淀川区が9月に発した宣言が、インターネットで反響を呼んでいる。同性愛を公表している米国総領事とタッグを組んだ、異例の「日米共同事業」でもある。
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 宣言は9月1日、区民だよりに掲載された。区のホームページ、ツイッター、フェイスブックにも載せたところ、一気に広まった。

 「何気ない一言のせいで傷つき苦しんでいる人がいることを皆に知ってもらいたい」(東京、両性愛の女子学生=19)。「(LGBTが)生活しやすい社会の構築に私も頑張っていきたい」(東京、元女性の性転換者)。宣言後、区役所にこんなメールが相次いで寄せられた。

 LGBTではない人も、ツイッターで「LGBTの人たちも住みやすい街なら、シングルマザーも住みやすそう」とつぶやいた。【花房吾早子】

<以下追加引用>
性的マイノリティー:7割いじめや暴力経験 学校生活調査
2014年5月7日 毎日新聞

 性的マイノリティー(LGBT)の自殺防止などに取り組む団体「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」は7日、性同一性障害や同性愛などの若者609人に実施した学校生活実態調査の結果を公表。約7割がいじめや暴力を受けた経験があった。そのうち約3割が自殺を考えたことがあるなど、いじめが深刻な傾向がうかがえた。

 調査は昨年10~12月、インターネットを通じ、小中高校時代を関東地方で過ごした10~35歳の当事者に呼びかけ、自己申告した女性390人、男性219人から回答を得た。

 いじめや暴力の被害を尋ねたところ、68%が「言葉による暴力」「身体的暴力」「性的暴力」「無視・仲間はずれ」のいずれかを経験。時期は小学低学年から学年が上がるごとに増え、中学2年がピークだった。

 被害の影響(複数回答)として、「自殺を考えた」は32%▽「リストカットなどで自分の体を傷つけた」は22%あった。

 自分がLGBTと気付いても「誰にも言えなかった」は男性53%、女性31%。周囲に明かした際の相手(複数回答)では、多くは同級生など同世代の友人で、「担任教諭」は13%にとどまった。

 同団体共同代表の遠藤まめたさん=活動名=は「担任教諭ら(LGBTの)子どもを取り巻く大人に知ってほしい」と話している。【五味香織、山田麻未】

<以下参考>
LGBTの学校生活に関する実態調査(2013) 結果報告書 PDF
2014年4月29日

<以下追加引用>
<LGBT>超党派の国会議員連盟が発足、初会合
2015年3月17日 毎日新聞

 同性愛者、心と体の性が一致しない性同一性障害らLGBT(性的少数者)への差別をなくすため、法的課題について検討する超党派の国会議員連盟<会長=馳(はせ)浩・衆院議員>が発足し、17日に初会合を開いた。2020年東京五輪・パラリンピック大会を前に、LGBTの権利擁護を進めることで、国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会が掲げる多様性のある社会の実現を目指す。

 LGBTを巡っては、昨年2月のソチ五輪で開催国ロシアが同性愛宣伝禁止法を成立させたことから国際的に非難され、欧米首脳が開会式を欠席した。IOCは12月の総会で、人種や宗教などに基づく差別を禁じたIOC憲章の根本原則に「性的指向」を盛り込むことを決議した。

 国内でも東京都渋谷区が同性カップルの「結婚に相当する関係」を認める条例制定を進めており、開催国としてLGBTを取り巻く課題に向き合う必要性が高まっていた。

 この日の会合には議員29人が出席。馳会長は「立法府として議論の土俵を作る必要がある」とあいさつ。今後は諸外国の法整備の状況などを研究しつつ、当事者らへの聞き取りを重ねる。【田原和宏】
by negitoromirumiru | 2013-10-06 00:36 | 福祉 | Comments(0)


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