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一般用医薬品の登録販売者試験 実務経験詐称で不正受験、過去延べ千人超か 厚労省中間報告

不正受験、延べ千人超か 医薬品の登録販売者試験
2013年4月18日 共同通信社

 一般用医薬品(大衆薬)の登録販売者試験で、受験条件を満たしているよう装った虚偽証明書による不正受験者数が、試験が始まった08年以降、延べ千人を超える疑いがあることが18日、厚生労働省の中間集計で分かった。うち不正受験が確認された合格者261人について、関係自治体が登録販売者の資格を取り消した。試験を受けるには薬剤師らの指導を受け医薬品販売に月80時間以上、1年間従事するなどの実務経験が必要。

(春之介のコメント)
少し角度を変えると、国家試験や類するものには実務経験が必要なものがある。

今回も替え玉受験とかでなく、そもそも受験資格のない者を会社ぐるみ!?で資格者に仕立てて受験させるものだ。

これは厚生労働省の管轄の話だけではない。

1級建築士など、マスコミをにぎわす事件も多発している。

その実務経験の証明に不正が行われた場合に、どうするのかという問題だ。

このブログで書いた、ケアマネ試験の同様な疑惑があるが、その際には、その証明書を発行した大手介護会社に対して、当該県が厳重注意だけで済ませている。

つまり試験の要件である証明書を偽造したり不正に取得しても、それを発行した会社・事業所は罰せられることがないのであった。

受験した本人は、そもそも受験資格がないから失格となっても、それを後押ししている事業者は逃れてしまうのだ。

どこだって会社の組織ぐるみだと言うはずもなく、担当者の知識不足やミスと言い逃れるに決まっている。

他のブログでも指摘されているが、摘発されたところは氷山の一角に過ぎないだろう。

こうした国家試験や類する試験において、試験制度を揺るがす自体を想定せずに制度設計している厚生労働省はじめ官庁の姿勢が問われる。

もともと、この登録販売者にしても、薬剤師がすべき仕事を代行させるという発想そのものに起因し、また薬剤師の役割を過度に強調するためにできあがったものだと言えよう。

6年制となった薬剤師養成で、国民に利便性のある活躍ができるかどうか、またでは4年制薬剤師では本当にできなかったという疑問がある。

また登録販売者試験について《ウィキペディア》に記されているように、合格率が都道府県で著しく差が生じており、試験制度そのもに重大な欠陥があるのかもしれない。

これからの問題は、検証するにしても応募書類の保管期限がどのくらいあるのか、追跡調査に信憑性が持てるのか、不正な証明書を発行した事業所への処罰は・・・不明な点ばかりだ。

こうした事案に腹が立つのは、例えば証明すべき事業所が倒産したり廃止されてしまい働いていた期間の証明ができない人たちが一方にいることだ。

不正申告した受験者は永久に受験資格をなくするとか、名前を公表するとかの厳罰しか対処ができないのだろうか。

善意で成り立つのが試験制度であり、その限りにおいて公平・公正が担保されるが、それを悪用する人たちが一定数存在することも事実であろう。


<以下参考>
登録販売者試験における実務経験証明書不正実態調査の取りまとめ結果(中間報告) PDF
 平成25年4月18日 厚生労働省医薬食品局総務課

平成24年度登録販売者試験について 東京都福祉保健局 (試験概要例、外部リンク)
一般用医薬品の登録販売者試験 実務経験詐称で不正受験、過去延べ千人超か 厚労省中間報告_e0151275_1336197.jpg


<以下参考引用>
登録販売者試験に伴う実務経験証明書不備に関する再発防止策
2013.03.28 合同会社 西友

このたびは登録販売者試験に伴い、実態に適合しない実務経験証明書を発行した事実に関して、多くのお客様をはじめ関係各位に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。弊社では、本事案について社内調査に加え、外部の専門家を含む調査チームによる調査を実施しました。その結果に基づき、再発防止策をまとめましたのでご報告いたします。

1. 事案の概略

弊社が過去に実務経験証明書を発行し、同試験に合格した弊社従業員(当時)のうち222名について、同試験の受験資格として必要な実務経験を満たしていることを証明することができず、結果的に、その方々について実態に適合しない実務経験証明書を発行していたことが判明しました。

2. 調査の方法

昨年11月より、外部法律事務所に所属する3名の法律家(下記)で構成された調査チームが、登録販売者試験の受験者、店長・マネージャー及び本部担当者約250名への聴き取り調査と関係資料の精査を実施しました。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 (角山一俊弁護士 河田好平弁護士 石井昭仁弁護士)

3. 弊社が実態に適合しない実務経験証明書を発行するに至った主な原因

(1)諸条件の不正確な理解
2006年改正薬事法による新資格制度の導入に際して、会社として、受験資格及び実務経験証明書発行に必要な諸条件に関する正確な理解が不十分なまま、弊社従業員(当時)の受験準備を行っていました。

(2)不十分なチェック体制
会社として、受験者個人に関する実務経験証明書発行に必要な諸条件が充足されていることを複数の部署が詳細に精査する体制作り及び牽制システムの整備が十分ではありませんでした。

4. 再発防止策

(1)諸条件を正しく理解させるための方策-継続的トレーニングの実施
2013年4月より、全対象店舗及び店舗運営本部・人財部を始めとした本部関係部署に対して、登録販売者試験の受験資格を含め、登録販売者育成や薬売場に関する知識を周知徹底させるためのトレーニングを継続的に実施していきます。

(2)チェック体制を十分に機能させるための方策
1)新ツールの導入
「個人別勤務結果表」(注1)に加え、「従事記録書」を新たに導入し、薬売場での従事記録として勤務時間と勤務内容が管理者により毎日記録・保管されるようにいたします。
(注1)「個人別勤務結果表」は出退勤の記録に基づき、月内での出勤状況が記録されるものです。

2)組織構造の改革
*店舗運営においては、店長のレポートライン下にいた管理薬剤師(または管理登録販売者)を、薬事に関しては店長の上席者にダイレクトレポートする立場とすることで、薬事に関する独立した組織体制を整備し、管理薬剤師(または管理登録販売者)の薬事に関する責任を明確化しました。

*登録販売者育成に関して、店舗及び本部双方を統括管理し、以下の役割を担う組織として、「薬局・店舗販売者育成事務局」を店舗運営本部内に設置しました。
・受験者情報の一元管理
・各受験者の実務経験取得状況の把握
・薬売場に対する理解浸透のためのトレーニングの実施

*店舗運営本部、人財部、ファーマシードラック部の3部署にて、実務時間、在籍状況、実務内容を確認の上、実務経験証明書を発行するものとしました。

弊社では、実態に適合しない実務経験証明書を発行するに至った主な原因が上記3記載の2点、とりわけ「諸条件の不正確な理解」が根本的な原因であったと考えられることを真摯に受け止め、法令遵守の更なる周知徹底を行ってまいります。今後もお客様をはじめ関係各位の信頼を損なうことのないよう、従業員一人ひとりの倫理意識の向上に、全力を挙げて取り組んで参ります。以上

<以下引用>
西友、虚偽の証明書発行認める 大衆薬「登録販売者」試験
2012.11.6 産経ニュース

 大手スーパー西友が、一般用医療品(大衆薬)の一部を販売できる「登録販売者」試験で虚偽の証明書を発行していたとされる問題で、西友は6日、東京都千代田区で記者会見を開き、実務経験が足りない従業員282人に虚偽の実務経験証明書を発行していたことを認めた。

 このうち200人が19都道府県の試験で合格し、全国70店舗で働いていたという。今後、都道府県が改めて実態を調査して資格の取り消しなどを進めるとみられる。ただ、西友によると、200人については、すでに登録販売者の資格に問題がない従業員に代わっており、各店舗でも大衆薬の販売は継続される見通し。

 記者会見した西友企業コミュニケーション部の金山亮執行役員は「お客さまに多大なご心配とご迷惑をおかけしたことを心からおわびする」と謝罪。ただ「現時点ではノルマやプレッシャーを課すなどの組織ぐるみの関与はなかったという認識」と強調し、外部専門家を入れた調査チームによる原因究明を急ぐ考えを示した。

 登録販売者試験を受けるには、薬剤師らの指導の下で1年間、毎月80時間以上、医薬品販売や相談の補助を行った実務経験などが必要で、勤務先が証明書を発行する。厚労省などによると、西友は平成20年度以降の4年間に19都道府県で、実務経験の時間を長く偽るなどした証明書を発行していた疑いが持たれていた。

 厚生労働省によると、全国の登録販売者は平成23年度末時点で約11万人。
by negitoromirumiru | 2013-04-19 01:30 | 医療 | Comments(0)


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