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Music China 2012 中国(上海)国際楽器展覧会とは!? 日本の中小楽器メーカー28社が初参加

セルマー、ヤマハと並ぶ世界三大メーカー “柳澤”のサックスが中国へ
2012年09月25日 WEDGE編集部

10月11~14日、中国・上海で楽器の展示会「ミュージックチャイナ2012」が開催される。米国の音楽貿易誌の調べによると、中国の楽器販売市場グローバルシェアは、米国、日本、ドイツに次いで第4位にまで成長している。展示会も毎年規模を拡大しており、昨年は約1500社が参加し、5万人を超える来場者があったという。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受けてこの展示会に、日本の中小楽器メーカー28社(団体含む)がはじめて参加する。

 日本の楽器製品は、楽器はもちろんメトロノームや楽器ケースなど、品質の良さで高く評価されている。ただ、中国ではこうした日本の楽器製品がコピーされている。取り締まりをしたくても、日本の楽器メーカーの多くが中小企業であるため、人も費用もなく、手の出しようがない。

 楽器は嗜好品のため、良いものを知ってもらえればお金をかけてもらえる。展示会へ出品して「本物の良さ」を中国人に知ってもらおうというのが、今回の狙いの一つだ。加えて、現地代理店とのマッチングも行い、販路の拡大も目指している。

日本の管楽器製造のパイオニア
 展示会に参加する楽器メーカーの仕切り役を担っているのが、東京都板橋区小豆沢にある柳澤管楽器社長の柳澤信成氏(60歳)。従業員89名の小所帯だが、仏・セルマー、ヤマハと並び、世界3大サクソフォーンメーカーの一つに数えられる。

 日本最大の楽器販売店・黒澤楽器店(東京都新宿区)サクソフォン・ラボ責任者の沖田明也氏によれば「柳澤は、ハンドメイド色が強いところに特長があります。他社の量産品に比べると音の抑揚など表現力が高く、実際に店頭で試し吹きなどすると、良さを実感できるブランドです」という。

 柳澤管楽器はサクソフォーン生産の専業でアルト、テナー、ソプラノ、バリトンの4種約650本を毎月出荷している。そのうち約8割は海外向けで、世界31カ国に代理店を持つ。値段は20万円台から160万円台まであり、売上は年間約14億円。生産は完全受注制で納品まで半年かかる。1980年代後半から90年代前半にかけてのピーク時から国内市場は縮小傾向にあるものの、海外での販売を増やし、売上は微増を続けている。

 実は、日本で管楽器製造を最初にはじめたのは、柳澤氏の祖父徳太郎氏だ。1893年(明治26年)、浅草で飾り職人をしていた徳太郎氏は、手先の器用さをかわれて、板橋にあった陸軍兵器廠から軍楽隊で使用される楽器の修理を手掛け、製造技術を身に付けた1907年、東京で万国博覧会が開かれたときにバス、バリトン、トロンボーンなどの管楽器を国産品として出品した。

 徳太郎氏は終戦直前の45年4月に亡くなり、満洲から復員した柳澤氏の父親である孝信氏が、サクソフォーンの製造をはじめたのが50年。初期の頃は、「値段が安いわりに壊れない」ということで練習用として出荷を伸ばした。質を高めるべく試行錯誤を続け、海外メーカーと肩を並べられるようになったのは、3つ目のモデルである「900シリーズ」を89年に出してから。ここから輸出も増やし、現在もこのシリーズを基本に改良を重ねている。


 柳澤氏は「上手に手が付いている」という父の言葉を今も大事にしている。「手が付く」つまりきちんと手がかけられているということで、価格の高低にかかわらず手を抜かずにしっかり作りこむ。だからこそ、壊れにくい製品を作ることができた。

 嗜好品である楽器の世界では、手間を省いて安くする以上に、手間をかけて価値を高めることのほうが評価される。この辺りが手間を惜しまない日本の楽器製品が世界から評価される所以といえる。

(春之介のコメント)
日中関係がぎくしゃくしているが、来月開催の見本市参加はどうなるのだろうか。

記事を読んでいて、日本における管楽器作りの先達であることを初めて知った。

日本には、卓越した技術を持つ管楽器メーカーが多く、海外からの信頼も厚い。

大きな輸出額にはならないにしても、確かな品質というイメージを海外に与えることの効用は計り知れないだろう。

柳澤管楽器も、中国に代理店を持っているが、中国製の粗悪品との違いを知ってもらうことが重要だろう。

見本市の成功を期待したい。


Music China 2012
2012中国(上海)国際楽器展覧会

公式ウェブサイト  http://www.musicchina-expo.com/
会期:2012年10月11日 ~ 2012年10月14日
会場:上海新国際博覧中心

柳澤管楽器株式会社  http://www.yanagisawasax.co.jp/
by negitoromirumiru | 2012-09-25 20:52 | 音楽 | Comments(0)


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