Frederick Fennell
Fabulous Marches for Orchestra
01 ウィリアム・ウォルトン:戴冠式行進曲「宝玉と王のつえ」
(CORONATION MARCH "ORB AND SCEPTRE")
02 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:劇音楽「アテネの廃墟」~トルコ行進曲
(TURKISH MARCH FROM "THE RUINS OF ATHENS")
03 ジャン・ユリウス・クリスチャン・シベリウス:「カレリア」組曲~行進曲風に
(ALLA MARCIA FROM "KARELIA" SUITE)
04 ボロディン:歌劇「イーゴリ公」~行進曲
(MARCH FROM "PRINCE IGOR")
05 フランツ・ペーター・シューベルト:軍隊行進曲第1番ニ長調op.51-1
(MARCHE MILITAIRE, OP.51, NO.1)
06 エドヴァルド・ハーゲルプ・グリーグ:組曲「十字軍の兵士イグール」~忠誠行進曲
(HOMAGE MARCH FROM "SIGURD JORSALFAR")
07 ワーグナー:歌劇「タンホイザー」~大行進曲「歌の殿堂を讃えよう」
(MARCH FROM "TANNHAUSER")
08 ワーグナー:歌劇「リエンツィ」~序曲
(OVERTURE TO "RIENZI")
09 ワーグナー:楽劇「パルジファル」~聖金曜日の音楽
(GOOD FRIDAY MUSIC FROM "PARSIFAL")
イーストマン=ロチェスター・ポップス・オーケストラ (1)~(7)
(EASTMAN-ROCHESTER "POPS" ORCHESTRA)
イーストマン・ウィンド・アンサンブル (8)(9)
(EASTMAN WIND ENSEMBLE)
フレデリック・フェネル
(FREDERICK FENNELL)
録音(1)~(7)60.4 (8)(9)59.10
レーベル:マーキュリー
(春之介のコメント)
疲れると聴きたくなるCDって誰にもあるだろう。
一番いいのは全く未知の分野か普段聴くことない音楽の方が、神経を逆なでしなくてよい。
ただクラシックで元気回復となれば、勢い濃い曲とか大音量となる・・・
その中で、音楽の原点に返るのは吹奏楽の響きかもしれない。
このCDは、中古屋で見つけたものでさほど期待していなかったことを思い出す。
よくある有名曲羅列のものに過ぎないと思っていた。
まず、ウォルトン:戴冠式行進曲「宝玉と王のつえ」で、ココロを鷲掴みにされてしまった。
ウォルトンは当時知らなかった。
中間部にある旋律に、痛く感動してしまった。
グリーグの曲も、大変よろしい。
こうした曲らは、後年別の演奏でも楽しんでいる。
英国音楽には、エルガーやウォルトン、ホルストのように素晴らしいメロディがあるが、その原点を発見したCDである。
フェネルは、まじめにオーケストラ指揮者の道か、ウィンドアンサンブルの創設者かに悩んだのだろうと思う。
我々には、後者の道を邁進し、世界の吹奏楽の流れを変えたこと、特に日本の吹奏楽の発展に最大の寄与をしてきたことを考えるとフェネルにお礼を言わなければならないだろう。
一連のマーキュリーの録音は、モノラルも含めて金字塔だね。
コダック社の業績不振は深刻であり、音楽文化に対する貢献も難しいのかもしれないが、一時期でも音楽都市を築けたことは本当に良かった。
Frederick Fennell: A Life of Joyful Discovery