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准看護師養成補助金、県の財政難を理由に2014年度打ち切り 進まない正准一本化推進も 神奈川県

准看護師養成補助金、14年度打ち切り 神奈川県知事
2012年5月25日 東京新聞

 神奈川県の黒岩祐治知事は、県の財政難を理由に、准看護師を養成する専門学校への補助金を、二〇一四年度の新入生から打ち切る方針を固めた。県立衛生看護専門学校(横浜市中区)の准看護学科は同年度から、新入生の募集を中止する。准看護師の教育課程は二年間のため、県の養成は一五年度に完全廃止となる。

 黒岩知事は二十二日、県医師会の大久保吉修会長と面談し、方針を伝えた。大久保会長は、県内の看護職員数が人口比で全国最少であることを踏まえ「看護師不足の中で、なぜ養成廃止を急ぐのか」と反発している。

 准看護師の養成廃止は、正看護師との待遇格差を解消するため、国が一九九六年に打ち出し、「二十一世紀初頭に」養成課程を一本化することを目指していた。黒岩知事の方針は、進まない正准一本化を促す狙いもある。

 黒岩知事は本紙の取材に対し「一本化をしないのは国の怠慢だ。国ができないなら神奈川でやる」と強調。その上で「財政が厳しい中で、少しでも無駄をなくそうと努力している」と、財政難も理由に挙げた。

 県は現在、准看護師を養成する四つの専門学校に、年間で計約三千二百万円を補助している。四校と県立専門学校を合わせた定員は計二百人。

 准看護師制度は、戦後の看護師不足を解消するため、一九五一年に創設。中学卒業後、専門学校などに二年通い、試験に合格すれば知事免許を受ける。(新開浩)

(春之介のコメント)
愛知県の場合、医師会立准看護学校と衛生看護科を持つ県立高校がある。

このところ看護師の上級資格をめぐっては議論が続いてきたが、准看護師廃止については遅々として進んでいないようだ。

准看護師制度は、時代の必要よって生まれた制度であり、主に開業医の仕事を昼間に手伝って夜間に学校へ通うというものだった。

出稼ぎとか貧しい時代には、働きながら学ぶことが当たり前であった。

准看護師は都道府県単位の認定試験であるので、首長がの意向が反映される。

記事にあるように、正看護師に一本化することは大きな流れに違いない。

看護協会は一本化推進の立場だろうから、議論が再燃ということにもなりかねない。

本当ならば医療行為の補助者として、介護福祉士を発展させる形で位置づけることも考えられても良かったろうし、痰の吸引等の問題もクリアできた。

私は介護福祉士が医療系の知識をほとんど持たない現行制度は問題であると考えている。

追記
日本医師会が、EPA看護師養成問題に対して、准看護師としての活用を打ち出した。

なかなかの名案と思いきや、日医の方向性がよく分かるものだ。

やっぱり安くつく看護職員は欲しいし、EPA養成看護職はその程度のものなのだろう。

それでは准看護師に合格したら、在留できるのかといえば難しいということだ。

彼女らは、いずれ母国に帰って行けというのが日医のスタンスらしい。

こうしたことに准看護師資格が使われるのもマズイだろう。

どちらにしても、日本語によるコミュニケーション能力を問題にしているわけであり、その壁を越えなければ働かさせないということだからね。


<以下追加引用>
◆准看護師養成「急な廃止は反対」 県医師会 県議会に働きかけへ
 2012年6月1日 東京新聞神奈川版

 県医師会の大久保吉修会長は三十一日、横浜市内で記者会見し、黒岩祐治知事が目指す二〇一四年度からの県による准看護師養成の廃止について、「二年後からの急な廃止には反対」と述べた。廃止の可否については「議会が決めること。(医師会の意見に)賛成する議員に働き掛ける」と強調。廃止に必要な条例改正や、予算の成立に反対するよう県議会に促す考えを示した。

 黒岩知事が一四年度からの実現を目指すのは、准看護師を養成している県立衛生看護専門学校(横浜市中区)の准看護学科の生徒募集停止と、他の民間の専門学校に対する補助金の打ち切りなど。

 廃止するには、県立専門学校の運営規則を定めた条例の改正と、他の専門学校への補助金カットを反映した予算を、議会で成立させる必要がある。


 大久保会長は、廃止に反対する理由について「看護師は全国で五万九千人足りない。神奈川県は、そのうち約四分の一の一万四千人足りない」と述べ、看護師不足への悪影響を指摘した。

 そのほか、黒岩知事が目指す大学の医学部新設をめぐり、県が募集した県民意見の約九割を反対が占めた問題について「会員に投稿を要請した。意見を述べるのは当然だ」と述べ、会としての関与を認めた。(新開浩)

◆医学部新設「うさんくさい」医師会長が知事批判
 2012年6月1日 読売新聞

 神奈川県医師会の大久保吉修会長は31日、横浜市内で記者会見し、黒岩知事が実現を目指している「県内の大学への医学部新設」などの医療政策を「うさんくさい話」などと批判し、新設案などに関する「パブリックコメント」に投稿するように県医師会として組織的に会員へ要請したことを認めた。

 知事は、将来の医療のあり方を盛り込んだ県の「医療のグランドデザイン」で、国の特区制度を活用して医学部を新設し、「開かれた医療」などを実現するとしている。また、「准看護師教育では医学の高度化に応えられない」として、准看を養成する専門学校への補助金を2014年度から廃止する考えを示している。

 大久保会長は特区で自由診療も可能にする医学部新設案について、「国民皆保険制度を守るという意味で非常にうさんくさい話だ」と批判。「知事が『開かれた医療』と言うのは今は閉ざされた医療なのか」と強い不快感を表明した。

 准看養成廃止方針については、「知事選の際、知事は『准看制度を守る』と言った。最近になって准看の教育制度には反対で、学校をなくすと言うのは詐欺だ」と指摘した。

 グランドデザインのパブリックコメントで、医師会が組織的に会員へ投稿要請を行ったことについては「県に意見を出来るだけ出してもらいたいと言った」と述べ、県医師会の指示を認めた。ただ、川崎市医師会が反対意見の記載例などを示したことについては「我々の意図をしんしゃくしてやったのかも知れない。反対してほしいということで、手法の細かいところまで要求していない」と関与を否定した。

 川崎市医師会の高橋章会長は30日、投稿要請方法について、読売新聞の取材に「投稿の仕方が分からない会員のためにファクスの宛先や例文などを付けた」と話した。

<以下追加引用>
EPA看護師候補者の准看受験容認- 日医が見解
2012年06月06日  キャリアブレイン

 日本医師会(日医)は6日、EPA(経済連携協定)に基づきインドネシアとフィリピンから来日している看護師候補者が、准看護師試験を受験し、合格後に准看護師として業務に従事することを容認する見解を示した。

 同日の記者会見で、藤川謙二常任理事は、「日医の基本的なスタンスは、看護のマンパワーを外国に求めるのではなく、国内での養成を強化することにある。合格者は労働力としてではなく、その方々がいずれ母国に帰って母国の看護レベルを上げる仕組みと考えている」と強調した上で、「EPA候補者の看護師へのステップとして、准看護師試験を受け、准看護師として誇りを持って働きながら、看護師国家試験にチャレンジしても良いのではないか」と述べた。

 EPA候補者の准看護師試験の受験資格と、准看護師として業務する場合の扱いについては5月30日、厚生労働省医政局看護課長と同省職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課長が連名で、各都道府県に通知を出した。

 その通知では、EPA候補者には、准看護師試験の受験資格があり、准看護師としての活動が、看護師免許を取得する目的で、看護師の監督の下、必要な知識と技能を修得するのであれば、在留許可で指定された範囲を超えるものではないとの解釈を示した。

<以下参考エントリー> その後の進展
神奈川県 准看護師養成、廃止盛る 県の看護教育のあり方検討会が第1次報告
by negitoromirumiru | 2012-05-26 06:25 | 医療 | Comments(0)


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