料金体系も統一 介護タクシー 予約一本化
2012年4月1日 中日新聞愛知版
中部地方で初となる介護タクシーのコールセンターが2日、名古屋市で始動する。車いすやストレッチャーのまま乗れる介護タクシーは、個人で事業を始められるが、予約が偏るなど採算性が低い上、料金がばらばらで利用者に分かりにくく、需給のかみ合わない状況が続いている。今回の試みは、県内の事業者で連携し、窓口を一本化することで利用促進を図るのが狙いだ。
センターを開設するのは一般社団法人「福祉・介護移送ネットワークACT」。中区の事務局にオペレーター2人を配置し、利用者から予約を受け、要望に沿った事業者のタクシーを配車する。また、料金やサービスの体系を統一する。
運営費をまかなうため、事業者には入会金と月会費の負担が生じるが、現時点で15事業者(車両20台)が登録。30事業者を目指して参加を呼び掛けている。
お年寄りや障害者が利用する介護タクシーは、需要の急増が見込まれ、国土交通省が8年前に規制緩和を実施。二種免許があり、運輸局の試験や審査を通れば車1台から参入できるようになった。
定年退職した人や、福祉に関心を持ち脱サラした人が事業者となるケースが増えている。しかし、中部運輸局によると、新規参入と同数の事業者が採算が合わずに廃業に追い込まれており、全体の数は横ばい傾向という。
ACTが県内で行ったアンケート(55事業者から回収)でも「事業として成り立っている」と答えたのは2事業者だけで「思ったより厳しい」が44事業者と8割を占めた。
元名古屋市議の鎌倉安男代表は「このままでは過当競争でサービスが低下する。採算が合わなければ、介護タクシー自体がなくなりかねない」と話す。今後は、サービス向上を目指して勉強会を開いたり、新規利用者の確保に向けて介護施設などにPRしたりと活動を広げていく予定だ。
介護保険は原則として適用外。料金は時間制で、車の種類や装備によって変わるほか、事務手数料400円が必要。申し込みはインターネットで24時間、フリーダイヤル=(0120)102945=で平日のみ受け付けている。(小中寿美)
(春之介のコメント)
今のところ介護保険は適用外といことで、高齢者や障がい者が対象という。
介護タクシーで脱サラ起業を目指す人たちも多いが、経営的には難しいのが現状。
そこで分かりやすく利用しやすいシステムを運用するものだが、未知数の状態。
一般タクシー業界も、車いすでの乗車は当たり前の時代となり、介護タクシーを利用するメリットがないと利用は伸びないだろう。
・
福祉・介護移送ネットワークACT・アクトすまいる http://www.act-smile.jp/
Q:料金システムは?
目安としては、乗車~完了まで
3km20分以内¥2,700~
5km30分以内¥4,000~
10km50分以内¥5,000~
Q:介護保険は使えるの?
いまのところ、ご利用いただけません。したがって介護保険利用時のような規約は一切なく、どなたでも、どこへでも、どんな場合でも、お気軽にご利用いただけます。
Q:福祉タクシーチケットは使えるの?
名古屋市はもちろんのこと、多くの自治体と契約しています。ご予約時にお申し付けください。