児童養護施設 支援の継続が課題
2011年12月24日 NHK
漫画「タイガーマスク」の主人公を名乗る人物が児童養護施設に学用品などを寄付する動きが始まって1年となります。施設では今、学用品などの支援に加えて、学習のサポートや施設を出たあとの支援を求めているという調査結果がまとまりました。
この調査は、東京にあるNPO法人が全国の児童養護施設を対象に行い、131の施設から回答がありました。それによりますと、今、どんな支援が重要かを複数回答で聞いたところ、「ふだんの生活用品」、「子どもの学習支援」、また「施設を出たあとの支援」を挙げる施設が60%を超えました。
このうち、支援が足りているかどうかを尋ねたところ、▽「生活用品」は80%が足りていると答えたのに対して、▽「学習のサポート」が足りていると答えたのは58%、▽「施設を出たあとの支援」は45%にとどまりました。
特に施設を出たあとは、保証人が見つからず住まいの確保が難しかったり、相談できる相手がいなかったりすることが多く、課題に挙げる施設が目立つということです。調査を行ったNPO法人、「ブリッジフォースマイル」の林恵子代表は、「いわゆるタイガーマスク運動の影響もあり、物の支援は行き届いてきたが、学習支援など人の手がかかる支援も強く求められている」と話しています。
(春之介のコメント)
貧困や暴力の連鎖ということは知られている。
タイガーマスク現象は善意かもしれないが、継続的な支援が求められている。
十分な学習能力や社会性が身についていない状況で、社会生活をすることは困難である。
このNPOに関しては、ひとり暮らしハンドブック「巣立ちのための60のヒント~施設から社会へ羽ばたくあなたへ~」(明石書店)といような有用な書籍も出版しているようだ。
【全国児童養護施設調査2011】社会的自立に向けた支援に関する調査 PDF
調査実施者: 特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル
調査協力者: 特定非営利活動法人Living In Peace
調査対象施設: 全国の児童養護施設583施設
調査時期: 2011年6月10日~7月14日
調査方法: 郵送調査法
有効回答数: 135施設(有効回収率23.16%)
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NPO法人ブリッジフォースマイル http://www.b4s.jp/
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林恵子の児童養護と自立支援 http://bridge4smile.dreamlog.jp/