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成年後見制度で使い込みなどの被害実態 最高裁調査 信託銀行「後見制度支援信託」の運用開始

成年後見で被害 18億円超える
2011年10月25日 NHK

認知症のお年寄りなどに代わって第三者が財産を管理する「成年後見制度」で、財産が使い込まれる被害について最高裁判所が初めて調査した結果、最近の10か月だけで被害総額が18億円を超えていることが分かりました。

「成年後見」は、認知症で判断力の衰えたお年寄りなどに代わって、親族のほか、弁護士や司法書士などが後見人となって財産を管理する制度です。高齢化に伴って、利用者が年々増える一方で、財産が使い込まれる被害の報告が相次いでいることから、最高裁判所は、全国の家庭裁判所を通じて被害の実態を初めて調べました。

その結果、去年6月からことし3月までに被害の報告が184件あり、被害総額はおよそ18億6000万円に上りました。2件を除く182件は親族が財産を管理していたケースで、被害金額が1億円を超えたものもありました。

最高裁は、対策の1つとして信託銀行などと連携して「後見制度支援信託」という新たな仕組みを設けることにし、早ければ来年2月に運用が始まる見通しです。日常生活に必要な資金以外の財産は金融機関に預け、払い戻しを受ける場合には家庭裁判所に理由を説明して許可を受けることが必要になるということです。最高裁は「財産を確実に守るための有効な手段の1つとして活用してほしい」と話しています。

(春之介のコメント)
成年後見制度は裁判所が絡む厳格な制度であるが、後見人が制度を悪用し財産を私物化することも考えられる。

最高裁が10カ月で18.6億の被害と算出したのは、誰かが気づいて家裁まであがった事例であるから実態がさらに深刻であることは想像できる。

判断能力が無くなったり・制限される人を守る意味の制度だけに、後見人の役割をもっと周知させることが大事となる。

なお、新たに始まる信託の仕組みであるが、かなり使い勝手が悪いので普及するかといえば難しいかも。

最近では弁護士の使い込みも報道されており、裁判所がどこまでできるのか限界もみえてきている。


〈以下続報〉
成年後見制度“信頼揺るがす事態”
2012年2月26日 NHK

認知症のお年寄りなどに代わって第三者が財産を管理する「成年後見制度」で、財産が使い込まれる被害が、最近の16か月間におよそ37億円に上ることが最高裁判所の調査で分かりました。最高裁は、制度への信頼を揺るがす深刻な事態だとして、対策の検討を急いでいます。

「成年後見」は、認知症で判断力の衰えたお年寄りなどに代わって、親族のほか、弁護士や司法書士などが後見人となって財産を管理する制度です。

高齢化に伴い利用者が増える一方で、財産が使い込まれる被害が相次ぎ、最高裁判所は被害の実態を全国の家庭裁判所を通じて調査しました。その結果、おととし6月から去年9月までの16か月間に被害の報告が314件あり、被害総額はおよそ36億9800万円に上ることが分かりました。

このうち306件は、親族が財産を管理していたケースで、1件の被害額が2億円に上るものもありました。被害は特に去年に入ってから急増し、月平均の被害額はおよそ3億円に達しているということです。

最高裁は対策の1つとして、信託銀行などと連携した資産管理の仕組みを新たに設け、今月から運用を始めていますが、「後見制度の信頼性を揺るがすような深刻な被害が相次いでいる。後見人の指導の在り方も含めて効果的な対策を考えていきたい」と話しています。
by negitoromirumiru | 2011-10-25 06:06 | 福祉 | Comments(0)


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