指文字:音声翻訳機を開発 京大生チーム
2010年12月26 毎日新聞
京都大工学部4年生5人のチームが、手話の指文字を音声に変換する翻訳機「TEMS」を開発した。手話を使う人が、手話の分からない人とコミュニケーションを取る際に威力を発揮するという。将来的には指文字だけではなく手の動き全体をセンサーで検出し、手話の全てを音声に変換できるようになることをメンバーは期待している。【広瀬登】
5人は微小電気機械システム(MEMS)技術などを研究しているナノ・マイクロシステム研究室に所属。複数のメンバーが手話サークルに友人がいることから、「指文字を音声化しよう」とのアイデアが浮かんだ。
翻訳機は、右手の指先に取り付けた磁気センサー(縦横約5ミリ)が「指の曲げ伸ばし」を判定、手の甲に付けられた加速度センサーが「手の方向」を検出し、両者を組み合わせて指の形を把握する。
右手で指文字を作り、左手のスイッチを押すと、指文字が音声として発せられる。
この翻訳機は仙台市で12月上旬にあったMEMS関連装置の開発を競う第2回国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト国内予選大学部門で1位を受賞。ユニークさや社会に役立つことが高く評価され、チームは11年6月に北京である世界大会に出場する。
リーダーの秋柴俊之さん(22)は「今後、センサーと磁石を一つの手袋の中に収めるなど改良を重ね、誰でも簡単に使えるようにしたい」と話している。
◇ことば 指文字
5本の指の曲げ伸ばしと、手の方向を組み合わせ、アイウエオの50音に相当する表音記号を示す。手の動きを中心に動作で伝える手話では表現しにくい人名や地名など固有名詞の表現に使われている。
(春之介のコメント)
どの程度の精度なのかが気になるところ。
今後、指文字を言葉に置き換えることと、言葉を単語に置き換えること、そして文章をつくるという風に発展するのかな。
京都大学工学研究科マイクロエンジニアリング専攻ナノ・マイクロシステム研究室