BBC Proms 2010 Prom 62 Live from the Royal Albert Hall, London
ヒンデミット:交響曲「画家マチス」
マーラー:さすらう若人の歌
ブルックナー:交響曲第9番
クリスティアン・ゲルハーエル(バリトン)
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮グスタフ/マーラー・ユーゲント管弦楽団
Hindemith: Symphony 'Mathis der Maler'
Mahler: Lieder eines fahrenden Gesellen
Bruckner: Symphony No. 9 in D minor
Christian Gerhaher, baritone
Gustav Mahler Jugendorchester
Herbert Blomstedt, conductor
(春之介のコメント)
現役指揮者の長老格で信仰深くあるのがブロムシュテットだろう。
私の尊敬する指揮者の一人であり、類まれな才能の持ち主である。
今回、ライブを聴きながら遠くイギリスを思いつつ生きていることを感謝している。
ニールセンと本格的に出会えたのも、ヒンデミットに気づいたのも彼がいたからだ。
今回のプログラムであるが、何か隠された意図があるのだろうか。
ヒンデミットは、今一つ華やかな管楽器が聴こえなかった。
マーラーは、しみじみと歌い上げていていた。
メインのブル9であるが、第2楽章は最初のピチカートから切れの良い響きであり他の指揮者ではありえない響きである。この楽章は第1楽章と第3楽章の間で簡単に済まされることが多いが、聴かせる演奏になっていた。
第3楽章は、この曲の肝であるが私の判断は息が自然にできるような振幅を感じられるかどうかにかかっている。最後に天に上り神とまみえる音楽だけに、一歩一歩着実に上昇していく。
そして、ギュンター・ヴァントがMPOで成し遂げた奇跡なような演奏はオーボエを際立たせることで、ブルックナーの響きのつながりを担保したものだった。
今回の演奏も、オーボエは際立って聴こえたしトランペットの張りのある音色は若々しい感覚を与えた。