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介護保険「限界」 市区町村の半数「国や県が運営を」

介護保険「限界」 市区町村の半数「国や県が運営を」
2010年4月21日 朝日新聞

 市区町村が運営している介護保険について、首長の約半数が「都道府県や国が運営するべきだ」と考えていることが、朝日新聞の全国自治体アンケートでわかった。財政難などを理由に「限界だ」との声が多かった。介護保険制度は2012年度見直しが予定されており、今後、財源問題も含めて運営のあり方の議論が本格化する。

 調査では、市区町村長の48%が運営主体を「都道府県や国にするべきだ」と回答。町村長に限ると、過半数の54%に上った。

 「このままでは地方の自治体は負担増に耐えられない」(岩手県の町長)、「介護も国民健康保険と同様に、自治体による運営は困難になると思う」(宮城県の市長)など、財政難が主な理由だ。

 介護保険では、国と自治体で財源の半分を負担する。サービスの利用が増えるに伴い、公費負担も増加する。

 運営の広域化を求める理由として、「自治体によって保険料額や利用できる施設の数が異なるのはおかしい」(北海道の市長)という声も多かった。「隣の自治体と差がある理由を、住民に説明しづらい」という意見もあった。

 65歳以上が払う保険料は、09年度は最高月5770円(青森県十和田市)から最低の2265円(岐阜県七宗(ひちそう)町など)まで開きがある。

 特別養護老人ホームに入りたくても入れずに待機する人が全国に約42万人おり、国は09年度、施設の建設費を補助する交付金を設けた。

 しかし、今回の調査では、交付金を利用し、従来の整備計画(計12万人分)よりも上積みして施設を整備すると答えた自治体は21%。それ以外の自治体の大半は交付金を利用しない考えを示した。「施設が増えるとその後の費用がかさむ」ことが主な理由だ。国は11年度までに計4万人分の上積みを目指しているが、目標通りには進まない可能性がある。

調査は、3月上旬に全国の1778市区町村(2月末現在)の首長と担当者に質問用紙を郵送。首長分は1171人(回収率66%)、担当者分は1224自治体(回収率69%)から回答を得た。

 00年に導入された介護保険は原則、市区町村が単独で運営し、複数の自治体で運営するところもある。サービスを充実させる一方で保険料も高くするのか、逆にサービスも保険料も抑えるのかなど、各自治体の判断が問われ、「地方分権の試金石」とも言われてきた。(山田史比古、松浦祐子)

(春之介のコメント)
制度開始から10年が経過して制度としては定着してきた。

実施する市町村は、財政負担がネックで悲鳴を上げているということだ。

都道府県の役割は、今後限りなく縮小されていくことになると考える。

現場で身近な判断をするというのが介護保険の趣旨だから、これからも市町村が主体となるのだが、市町村格差が保険料にもサービスにも影響すれば住民の気持ちも変わっていくだろう。
by negitoromirumiru | 2010-04-22 07:58 | 福祉 | Comments(0)


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