失業者重視、施策評価を 自殺で公衆衛生学会
2010年2月9日 共同通信社
自殺者が昨年まで12年連続で3万人を超える中、日本公衆衛生学会(実成文彦(じつなり・ふみひこ)理事長)は8日、自殺の危険が高い失業者へのケアを手厚くし、自治体が行う自殺対策をモニタリングして効果を確かめるなどとする提言をまとめ、自殺対策担当の福島瑞穂少子化問題担当相に渡した。
提言では同学会理事の本橋豊(もとはし・ゆたか)・秋田大医学部長らの研究で、失業者の自殺率が全体の平均より7~8倍に上っていることを受け、ハローワークで精神保健や法律の専門家が仕事を探す人の健康問題などの相談に応じる「ワンストップ・サービス」の拡充を求めた。
具体的には、窓口を訪れた人が自治体の保健機関などをあらためて訪ねるよう、行政機関同士の連携強化を求めた。
また施策評価のため、3年に1回行われる「国民生活基礎調査」に、精神状態や生活環境に関する質問を加えて結果を数値化し、市町村単位で自殺を予防する施策が効果を上げているか測る態勢づくりも求めた。また、困難を抱えた人が受け入れられる社会づくりが長期的な自殺対策とも合致すると指摘した。
(春之介のコメント)
実効性のある提言である。
いまハローワークでの一元的なサービスが効果的であると感じる。
関係機関はたくさんあっても、まず相談できる先を示さないと混乱をきたす。