警察庁、ShareやWinnyなどによるファイル共有を常時監視するシステムを本格稼働
2010年02月04日 GIGAZINE
時事通信社および共同通信社の報道によると、警察庁が「Share」や「Winny」といったファイル共有ソフトを通じたファイルのやりとりを常時調査するシステムを開発し、1月から本格稼働させていることを本日明らかにしたそうです。
警視庁はこのシステムの試験運用を昨年3月ごろから段階的に開始しており、昨年12月にShareで構築されたファイル共有ネットワークで流通している100件のファイルをサンプルとして調べたところ、9割が著作権侵害や児童ポルノ画像を含む違法ファイルである可能性が高かったとのこと。
今後はネットワークに流通しているファイルの実態把握を進めた上で、観測結果を一斉摘発などの捜査に活用する方針だとされています。なお、Shareのネットワークには1日に13~14万のパソコンが接続しており、公開されているファイルは約95万個にのぼるそうです。
なお、改正著作権法では違法ダウンロードに対して罰則が定められていませんが、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)はWinnyについて「ダウンロードされたファイルをそのままアップロードする機能を持つことから、Winnyを通じて他人の著作物をダウンロードした利用者は、即座にアップロード行為者になる」と指摘しており、ダウンロードのみを行っているユーザーに対してもファイル共有ソフトの利用停止を呼びかけています。
〈以下引用〉
◆ネット共有の観測システムを稼働 違法ファイル流通を警戒
2010/02/04 共同通信
警察庁は4日、ファイル共有ソフトを使いインターネットでやりとりされている違法なファイルの流通実態を把握するための「観測システム」を、1月初めから本格稼働したと明らかにした。
同庁によると、ソフトウエア「シェア」で構築されたファイル共有ネットワークで、流通している100ファイルの名前をサンプルとして調べたところ、9割が著作権を侵害したり児童ポルノ画像を含んだりする違法ファイルの可能性が高かった。今後、観測結果を捜査に活用する方針。
同庁は昨年3月ごろから試験運用を開始。ファイル共有ネットワークは複数あるが、「シェア」だけで1日に13万~14万のコンピューターが接続し、約95万個のファイルがネットワークで公開されているという。
1月1日に施行された改正著作権法で、公開されたファイルのダウンロードは、著作権者に無断であれば違法となった。警察は昨年11月に10都道府県が一斉に違法配信を摘発するなど、取り締まりを強化している。
◆シェアやウィニー、常時調査=流通ファイルの実態把握-抽出の9割が違法・警察庁
2010/02/04 時事通信
「シェア(Share)」や「ウィニー(Winny)」といったファイル共有ソフトを通じた違法ファイルのやりとりが横行する中、警察庁は4日、共有ソフトの利用者でつくるネットワークを常時調査するシステムを開発、運用を始めたと発表した。ネットワークに流通するファイルの実態把握を進め、一斉摘発など捜査へも活用する。
ファイル共有ネットワークでは、共有ソフトの利用者同士がファイルを公開すると同時に、必要なファイルを自由にダウンロードできる。著作者の許可を得ていない音楽や動画、児童ポルノやわいせつ画像などの違法ファイルが数多く流通している。
警察庁は昨年春以降、最も利用の多いシェアや、次に多いウィニーなど複数のネットワークの調査を段階的に開始。12月に、シェアで流通するファイルのうち100個を抽出したところ、9割以上が違法とみられるものだった。
(春之介のコメント)
ついに監視活動が始まった。
問題は、最初に摘発される事件がどうなるかということ。
それが、余りに身近なものであれば共有ソフトを放棄する人が出てくるだろう。
著作権については、議論が多い。
これだけ情報社会が進むと、現実に即した対応を求めたいと思うのだが…。