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所得格差、健康に関係

所得格差、健康に関係 地域の信頼感も薄れ 日本福祉大調査
2010年1月6日 毎日新聞社

 ◇「病」は所得格差から

 所得格差が大きい地域ほど、地域の絆(きずな)を示す他人への信頼感が低下し、自分の健康状態が悪いと思う人の割合も高くなる--愛知県知多半島の高齢者を対象にした日本福祉大などの大規模調査で、こんな傾向が明らかになった。経済的な格差と住民の結びつきの深さや健康が相互に関係していることを示す結果で、注目されそうだ。

 調査は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都港区)の市田行信研究員(地域計画)らが日本福祉大健康社会研究センター(名古屋市)などと協力。知多半島の10自治体に住む65歳以上の高齢者約3万4000人を対象に郵送で実施、半数の約1万7000人から回答を得た。1950年時点の自治体で分けた計25地区ごとに、所得格差を示す「ジニ係数」と、地域の絆を示す「他人への信頼感」の程度や、自分の健康状態をどう思うか(主観的健康感)などとの関係を分析した。

 その結果、25地区のジニ係数は0・26-0・41と開きがあった。ジニ係数が0・01高くなり格差が大きくなるごとに、健康状態を「悪い」とする回答が平均0・6%ずつ増える一方「人は信用できる」と他人への信頼感を肯定的に示す回答は平均で1・4%ずつ低下した。

 また、他人への信頼感を示す回答が1%上がれば、自分の健康状態を「悪い」とする回答は平均で0・9%ずつ下がることも分かった。健康状態が良いと思う人が多ければ、実際に長生きする人も多いなど、主体的健康感は死亡率に関係することが知られている。

 市田さんは今回の調査結果から「所得格差が拡大すると、地域の絆の低下を通じて住民の健康に悪影響を及ぼす可能性が示された」と分析する。【江口一】

 ■ことば

 ◇ジニ係数

 所得を基に不平等度がどれだけあるかを計算した数字。0-1で表し、0は平等で格差がない状態、1はただ一人に所得が集中している状態を意味する。
by negitoromirumiru | 2010-01-08 18:28 | 福祉 | Comments(0)


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