人気ブログランキング | 話題のタグを見る

国公立病院の事務職員、年収は民間病院の1.8倍

国公立病院、放漫経営で8割赤字も年収は民間の1.8倍と判明
2009年11月07日 MONEYzine編集部

 自治体病院のうち約8割が赤字という状況の中、国公立病院の事務職員の平均年収は600万円台で、民間病院の約1.8倍に及ぶことが判明した。

 厚生労働省がまとめた2008年度の医療経済実態調査で、国公立病院の事務職員の平均年収は600万円台で、民間病院の約1.8倍に及ぶことが判明した。

 全国に957ある自治体病院のうち約8割が赤字決算(2007年度)という状況の中、国立病院の事務職員の平均年収は08年度時点で687万円となり、民間病院の事務職員(351万円)の1.95倍に達していたことが明らかとなった。公立病院の職員の年収は625万円で民間の1.78倍だった。

 国公立病院の経営が悪化している背景には、もともとコスト意識に欠ける役所体質だったところに医療費抑制を目的に診療報酬のマイナス改定が相次ぎ、医師不足から診療科を縮小、医業収入が大幅に落ち込むという悪循環に陥っていることが挙げられるが、職員の給料が民間より高いことも高コスト体質を招き状況を悪化させている。自治体病院には、自治体の一般会計から繰り入れが行われており、これが医業収入に含まれるが、国公立病院の医業収益に占める給与費の割合(今年6月の単月ベース)は約59%。国公立を除く病院の約53%より高かった。

 民間より優遇されているにもかかわらず赤字は拡大を続け、放漫経営が問題になっている一方で、現場では手術件数を増やすなど病院経営を維持するために必死だ。しかしこれが逆に慢性的に医師が不足する状況を生み出し、医療の質の低下へつながっている。医師不足対策として長妻昭厚生労働相は、来年度の診療報酬改定で国公立などの大病院に手厚く配分する考えだが、給与の官民格差が浮き彫りになったことで議論も起こりそうだ。

 今回の調査対象は独立行政法人の国立病院機構が運営する病院、労災病院、都道府県立や市町村立の公立病院など。個人経営の病院を含め、160の施設から回答を得た。自治体の体力により多くの繰り入れが可能なところもあるので、赤字がその病院の経営努力を必ずしも反映していない場合もあるが、経営形態を自治体の直営に執着しない改革が求められている。
by negitoromirumiru | 2010-01-04 00:39 | 医療 | Comments(0)


<< 都内「歯科医院」が1日1軒ペー... マック、競合店差別化マニュアルとは >>