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よい姿勢の保ち方 4

(4)楽しく運動筋力維持

 年齢とともに背中や腰が曲がるのは、骨粗しょう症などで首や背中、腰の骨がもろくなり、つぶれていくためだ。女性は特に閉経後、骨密度が低下する。骨と骨の間のクッションになっているゼリー状の椎間板(ついかんばん)も、保水性が低下して弾力が失われる。

 加齢による骨の変化は避けられないので、若いころから食事や運動で強い骨を作ることが大切だ。だが、骨が弱くなっても筋力を維持すれば姿勢悪化のペースを遅らせることはできる。

 中高年への運動指導を行っている筑波大学の田中喜代次教授が勧めるのは、太ももや腹部の筋肉を鍛える体操(図参照)。ひざが痛む人でも、無理なくできる。

 ウオーキングも効果的。背伸びをして、おへその位置を引き上げてから歩きだすと良い姿勢を保つことができる。

 田中さんは「姿勢のことを注意しすぎると、高齢者には運動が負担になる。楽しんで続けることが一番大事です」と言う。

 座っている時間が長い車いす利用者は、周囲が姿勢を直す手助けをすることも必要だ。

 理学療法士で帝京平成大学の徳田良英准教授は「体が前にずれて、ずっこけた体勢になったままの事がよくあります」と説明。褥瘡(じょくそう)防止の意味からも、座面にクッションを敷いたり、背もたれと体の間に座布団をはさんだりすることを勧める。

 徳田さんは「車いすに座らせ続けないで、体の位置を時々変えてあげて」と介助者にアドバイスしている。(滝田恭子)

【太ももや腹部の筋肉を鍛える運動】
〈1〉いすに深く腰掛け、背もたれには寄りかからない。手をももの上に置き、片方の脚を前に伸ばす。爪先は天井か自分の方に向ける。
〈2〉低めのいすを使う。足を肩幅に開き、いすの前に立ち、手は前に出す。ゆっくりしゃがんでいき、おしりが座面につく直前で止まり、ゆっくり立ち上がる。ひざが爪先より前にでないようにする。
〈3〉あおむけに寝て、ひざを立てる。マットを使う場合は、マットの端をつかみ、首に力を入れないようにして上体をゆっくり起こす。完全に起きあがらなくてよい。
〈1〉~〈3〉とも10回1セットで行う。3秒かけて体を動かし、力を入れて1秒間、姿勢を保つ。

(2009年7月18日 読売新聞)
by negitoromirumiru | 2009-11-18 12:15 | 箪笥 | Comments(0)


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