愛知県「看護修学資金」過去43年間、約23億円分の事務手続き怠り、未処理状態 ⇒時効消滅で回収は困難!?

看護学生貸付金23億円未処理
2015年03月28日 NHK名古屋放送局

看護師を目指す学生に、愛知県が就学資金を貸し付ける制度で、平成25年度までの43年間、県の担当者が学生の卒業後の調査を怠り、4048人に貸し付けられた計23億円余りが返還されていないか、返還免除の申請が行われないままになっていることがわかりました。

問題がわかったのは、愛知県が看護師不足の対策として看護学校などで学ぶ学生に対し、就学資金を貸し付ける制度です。
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この制度では学生が卒業後に一定期間、県内の医療機関に勤めると、貸付金の返還が免除されることになっています。ところが、愛知県が27日発表したところによりますと平成25年度までの43年間、歴代の県の担当者が学生の卒業後の調査を怠り、4048人に貸し付けられた計23億7900万円が返還されていないか、返還免除の手続きが行われないままになっていることがわかりました。
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このうち、平成12年度以前に貸し付けられた22億7000万円分については仮に学生が卒業後、県内で働いていなかったなどの実態がわかったとしても、民法の規定により、時効が成立するということです。

愛知県保険医療局は「今後も追跡調査を続け、対象の方には、貸付金の返還をお願いしていきたい。担当者が長年、事務処理を怠ったいきさつも検証し、場合によっては職員から損害の補てんを募ることも検討したい」と話しています。

(春之介のコメント)
記者会見はあったが、また報道が少なく、公式な資料は出されていない。

看護職の修学資金は返済免除の要件で、医療機関等に5年勤務することでOKなので実質的には返還する必要のある人は少ないと推測されるが想像の域を出ない。

今回は追跡調査がなされておらず確定値はない、返済免除にあたるかどうかも分からずに概算としての総額なのだろう。

もともと返還されることを目的としてないのであろうが、返還される分はまた利用できる資金となるには違いない。

今後は、時効にあたらない部分は追跡調査、時効にあたる分は「お願い」して調査し返還を求めることになろうが協力が得られない可能性も高い。

職員から返還させることは、過去の例からも困難だと感じる。

修学資金の金額は時代によって異なるが、現状は看護師の民間養成施設で年額432000円、例えば3年制養成コースであれば単純には1296000円となり、だいたいの相場は分かるだろう。

看護職に関しては、その成立背景から養成は優遇され続けており、各種の制度を利用すれば経済的な負担が発生しないようにされている。

さて支給を受けていた該当者らが、自ら返還に該当すると判断して県に問い合わせしたことはないのだろうか!?

「43年間、4048人」という記録があるそうで、住所移転や改姓など調査はもはや困難だろう。

そもそも貸与するという意識で職員らも考えていたならば事務処理をする気持ちは薄く、大きな財政のなかでは返還されても微々たるものには違いない。

第三者委員会を作って調査をするようであるが、前例踏襲とい決まり文句で責任がウヤムヤにされることは必至だろう。

もっと詳しい内容が今後発表されることで、結局は他の仕事の洗い出しまでしないと体質は変わらないのが公務員の世界である。

個人的には、日本学生支援機構(旧・日本育英会)の奨学金を受けた経験があるが、働いて繰上返済した。

日本学生支援機構でも経済苦により返還できない貸付例が増えていることはずっと報道されているが、組織が大きいだけに回収能力・ノウハウは高いと思われる。

できればであるが、この報道をきっかけにして、返還に該当する方は自主的に問い合わせして返還してほしい・・・知らないはずはないだろうから。

それにしても超忙しい年度末の週末に、このような記者会見をする県の姿勢は相変わらずであり、危機意識も薄いと感じる。

追記
愛知県:看護師養成修学金で不適切管理 未返還8億円か (毎日新聞)

さて調べたところ岡山県もまったく同様の事案が発生していた。

つまり1年前から分かっていたことだが、愛知県の管理職がこの事実を把握していたかも調査する必要があるだろう。

岡山県についての報道では、第三者委員会も設置する意向もなかったようであり、これ以上の情報もないが大きな問題には発展しなかったようだ!?

報道では、岡山県が各種の債権回収強化のために調べていた過程で発見されたとする。

愛知県の場合は、発覚の発端は何だったのだろうか!?

ということで、全国の都道府県の状態も加味して報道を期待したい。

追記
知事が会見を行い、12人の特別チームを組織して現状の洗い出しを指示した。

NHKの報道で注目したいのは、半年ほど調査し第三者委員会を設置するということであり、そもそも現状がはっきりと分かっていないことが理解できた。

知事の憤懣やるかたなさは分かるにしても、時効の問題もありあくまで「お願い」する立場になろう。

やり方としては二つあり、岡山県の対応と愛知県の今後の対応で手間がかなり異なる。

スマートなやり方は岡山県であり、事務ミスとして粛々とすること、愛知県のように特命チームを作って洗い出しして責任追及しても果たして何が残るのだろうか。

責任は管理職がまとめてとればよく、時効にならない部分を集中的に調査し「お願い」文書を出して実態把握と回収に努めることだ。

今までの不祥事と同様に、前例踏襲の無責任体制を何度指摘しても、変わる気持ちのない無責任な職員らが自分のこととして考えることはないだろう。

追記
京都府の監査事務局により、包括外部監査補助者から以下のような指摘があった。

内容は、収納事務上で今後とも懸念される法的事項を列記したもの。

つまり催促をする際の基礎資料としての書類類の完備が不十分で回収が困難となっていく。

他の都道府県でも同じ問題を抱えている可能性が高い。

きちんと事務をしていた京都府でも返還率が7~8割ということで、過去の資料に期待できない愛知県の過去の返還については、その回収が困難になると容易に予想されよう。


<以下参考>
愛知県看護修学資金について (外部リンク)
愛知県 健康福祉部 保健医療局 医務国保課 看護対策グループ
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<以下引用>
愛知県の看護修学資金、23億円分の手続き怠る
2015/3/28 日経新聞

 愛知県は27日、県が貸し出している「看護修学資金」のうち、約23億7900万円で返還や返還免除の手続きが行われていなかったと発表した。対象者は約4千人に上り、返還が必要なのは約8億円とみられる。担当者が対象者の住所や勤務先を記録していなかったほか、返還の督促を怠るなど職員のずさんな管理が原因とみられる。県は第三者委員会を設置し、原因究明を進めていく。

 県によると、「看護修学資金」は1962年からスタート。看護職を目指す県内の専門学校生や大学生の支援を目的としている。学生1人当たり月額最大8万3千円を貸与する仕組みだ。県は「約40年前から利用者が増え、事務処理が追いつかなくなった」としている。

<以下引用>
看護修学資金約23億円の処理怠る 愛知県
2015/3/27 中京テレビ

 愛知県が貸し出している「看護修学資金」で、23億円以上の返還処理を怠っていることが分かった。「愛知県看護修学資金」は看護師や保健師などを目指す学生らに月額最大8万3000円を貸し付ける制度で、県が指定する施設で5年以上継続して勤務した場合は返還が免除される。愛知県によると、制度が始まった1962年度から現在までに4000人以上、約23億8000万円の返還または免除の手続きが行われていないという。県は、担当者が卒業後の就職先などを書類に記載するのを怠ったり、返還を促すための必要な手続きをせずに放置してきたことが原因とし、今後、弁護士や公認会計士による第三者委員会を立ち上げ、対応を検討するとしている。

<以下追記引用>
看護学生の貸付金を追跡調査
2015年03月30日 NHK名古屋放送局

愛知県が、看護師を目指す学生に就学資金を貸し付ける制度で、計23億円余りが、返還されていなかったり、返還免除の申請が行われないままになっている問題で、大村知事は、特別のチームを作って追跡調査を行い、対象者に貸付金の返還を求めていく考えを示しました。

問題となっているのは、愛知県が、看護学校などで学ぶ学生に対し、就学資金を貸し付ける制度で、この制度では、学生が卒業後に一定期間、県内の医療機関に勤めると、貸付金の返還が免除されることになっています。

しかし、歴代の県の担当者が、学生の卒業後の調査を怠り、平成25年度までの43年間、4048人に貸し付けられた計23億7900万円が、返還されていないか、返還免除の手続きが行われないままになっていたことが分かりました。
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大村知事は記者会見で「あぜんとした。県民の皆さんにお詫び申し上げたい。担当者には、『とにかく全部、洗って来い』、『すべて追っかけてこい』と指示した」と述べ、4月から、職員など12人からなる特別のチームを作って、対象の4048人について、追跡調査を開始し、貸付金の返還を求めていく考えを示しました。

また、半年ほど調査を行い、外部の委員からなる第三者委員会を設立し、原因究明や責任の所在、処分などについて、検討を進める考えを示しました。


<以下関連引用> 岡山県でも 返還される可能性 約5000~5500万円!?
◆県奨学金5000万円未処理 元看護学生に返還要請へ 岡山
 2014/04/24 産経ニュース

 県は23日、看護学生に貸し付けた「看護学生奨学資金」のうち、過去27年分の一部が未処理だったと発表した。金額は約5千万円で、同奨学金の貸付残高(平成24年度末で約4億円)の約8分の1。県は今年から回収強化を行っており、その過程で判明した。今後、元看護学生に連絡をとって返還を求める。

 同奨学金は昭和41年からスタートした。問題になったのは昭和60年度~平成23年度の84人分で総額約5453万円。処理を放置したままで、最大1人約173万円の貸し付けがあったとみられる。奨学金の返済は卒業後5年以上、県内の病院などに勤務した場合、返還猶予を経て免除になる。猶予には申請が必要だが、その手続きがないまま長期間放置していた。

 県の税外債権は平成24年度末で総額21億円。なかでも「県育英会」の奨学金などが多く、今年度から回収強化に乗り出している。教育関係債権だけで8億円以上だが、不景気の影響で滞納者が増加。県は弁護士など民間の協力も得て、平成28年度までに教育関係債権の2割を削減する方針という。同課は「悪質な人をきっちり管理すべきだった。今後は組織的に対処できるよう取り扱要領を見直していく」としている。

◆看護学生の奨学金 返還未処理を放置
 2014年04月23日 KSB瀬戸内海放送

岡山県が県内の看護学生に貸し付けた奨学金について、返還される可能性のある約5500万円が未処理のまま放置されていたことが分かりました。返還される可能性があるのは1985年度から2011年度までに貸し付けた約2900人のうち84人分の奨学金約5450万円です。この奨学金は岡山県内の看護学生に月1万5000円から3万6000円を貸し付け、卒業後、県が指定した医療機関に5年間勤務することで返還を免除するものです。このため県は年1回対象者の勤務実態を確認していましたが、回答のないものについても詳しく調べることなく未処理のままにしていました。岡山県医療推進課は今後、対象者に連絡を取るとともに上司によるチェック体制を整え再発防止に努めると話しています。


<以下追加引用> 制度は形のみ・・・か
看護師修学資金の貸与、書類なく督促困難も-外部監査人が京都府に改善要望
2015年5月8日 医療介護CBニュース

 京都府の「看護師等修学資金貸与事業」について、府包括外部監査人が徴収方法や関係書類の管理などの改善を促していたことが8日までに分かった。関係書類が見当たらなかったり、誓約書に押印漏れがあったりして督促や回収などが困難視されるケースもあったことから、府に対し「担当者への指導を徹底すべき」と注文を付けている。【新井哉】

 府は、看護職員確保対策の一環として、府北部地域や200床未満の病院、診療所、介護老人保健施設などに従事する意思のある者に対し、修学のための資金の貸与を行っている。

 この事業について、監査人は、▽要保存書類の不備▽必要書類の不備による弁護士対応が困難な債権▽債務承認兼履行誓約書の押印漏れ―といった問題点を指摘。例えば、押印漏れについては、「書類の有効性に疑念が生じる事項であり、貸与者が債務承認の無効を訴える口実になる可能性がある」といったことを挙げ、「担当者は緊張感をもって書類の確認をすべき」とした。

 また、悪質、多額の債権に対する弁護士による督促を始めたが、返還計画書が見当たらないため、「事案を証明する手立てがないケースがあった」と指摘。「法的関係を立証する基礎書類の重要性を再認識する必要がある」と苦言を呈した。

 年率14.5%の延滞利息についても「請求を行った事例はない」と問題視。滞納者の中には看護職に就き、困窮状態ではないケースもあることを挙げ、「悪質な滞納者には毅然とした態度で接していくべき」とした。

<以下参考> 上記のもとになった報告 収納を進めるための厳しい指摘!
平成26年度京都府包括外部監査報告 (外部リンク)
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看護師等修学資金貸与事業 114-132頁
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追記 NHKでは珍しい誤記・・・
「就学資金」⇒「修学資金」
「愛知県保険医療局」⇒「愛知県保健医療局」

<以下関連引用> やればできる・・・かも!? 弁護士法人の活用してる自治体も…
滞納税、昨年度引き継ぎ分52%を徴収 整理機構
2015年4月23日 中日新聞

 支払いが滞っている市町村税を県と県内自治体が共同して集める「地方税滞納整理機構」は、昨年度に引き継がれた滞納分四十七億四千百万円の52・5%にあたる二十四億八千八百万円を徴収したと発表した。

 前年度に比べ徴収率は0・1ポイント上昇したが、引き継ぎ額が四億九千万円減少したため、徴収額は二億五千二百万円減った。

 機構は、県が徴税ノウハウなどを人手が不足がちな市町村に助言し、滞納額を減らすことを目的に設立され、昨年度が四年目。名古屋、岡崎、豊田市などの大規模自治体を除く四十七市町村が参加し、滞納税の中でも高額で徴収困難な案件を担当する。

 昨年度の滞納で最も多かったのは、国民健康保険税の約二十一億円。個人住民税約十八億円、固定資産税八億円と続いた。法人よりも個人の滞納額の割合が多い。

 機構は、滞納者に督促の案内状を送付し、支払われない場合は面会して返済計画などを相談。なお徴収が進まない場合は財産を差し押さえる。市町村の要望などもあり、機構は少なくとも来年度までは活動を続ける。

 また、二〇一三年度に機構に引き継がれず、各市町村が独自に徴収した滞納税は計百三十五億四千万円で、徴収率は25・3%だった。(杉藤貴浩)


<以下関連エントリー>
愛知県「看護修学資金」、回収不能問題 第三者委員会報告→755人分億4500万円を債権放棄へ
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by negitoromirumiru | 2015-03-29 11:17 | 医療 | Comments(0)


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