障害者手帳に誤り100件 千葉
2014年11月12日 NHK
千葉県が発行した身体障害者手帳に、等級など少なくとも100件の誤りがあったことが分かり、県は本来の等級などに基づいて福祉手当などを適正に受けられなかった人に対して補償を行うことにしています。
誤りがあったのは、千葉県がおととし4月からことし6月までに発行した身体障害者手帳のうち98人分で、障害の程度などに応じて決められる等級などが間違っているケースが少なくとも100件あったということです。
千葉県によりますと、ことし2月、「手帳の内容に誤りがあるのではないか」という問い合わせがあり、ミスが発覚したということで、担当者が判定の基準を誤って解釈するなどしていたことが原因だということです。
身体障害者手帳の記載内容に誤りがあると、自治体の福祉手当や公共交通機関の運賃の割引きなどの福祉サービスを適正に受けることができないということで、千葉県では今後、個別に確認したうえで補償を行うことにしています。
千葉県障害福祉課は「ご迷惑をおかけし、おわびしたい。速やかに手帳の交換や訂正を行うとともに、確認を徹底して再発防止に努めたい」と話しています。
(春之介のコメント)
今年5月27日に申し出のあった一人の調査結果を公表し、11月12日に平成24-26年の発覚までの調査を済ませての公表となった。
以下にあるように、交付事務は年度ではおよそ12000件超を処理している。
千葉県が書いているように、平成23年度以前は今後順次確認調査をするということで、書類が処分されていないところまで追跡調査をすることは可能だ。
ただ過去の交通機関乗車履歴など、どこまで確認が可能かは分からない。
推測すると、ミスをした職員が関わった書類だけで済むような気がする。
多いに気になるのは、「その他」…障害部位等の種別・等級以外の誤り(例:正「右上肢」、誤「左上肢」)に分類されたミスだ。
右と左の区別をできない職員がいることが情けないとしかいいようがない。
経験的にいうならば、県の判定がたとえば申請者の感覚と違っても意義を述べることはしにくい。
それは医師の診断書をもとにして総合的に判断するとされているからで、その判断過程が公開されているわけではないからだ。
今回、5月27日の事案では、種別誤りに気づいた障がい者によって発覚したが、こうしたことがもっと早い段階で分からなかったのかと考える。
例えば、今まで種別が第1種とされた障がい者が、急に第2種とされればおかしいと気づくはずだろうが…。
このミスした職員への対応は一切触れられていない。
千葉県は、ミスがあった方へ手帳の訂正交付を行い、申し出があれば損害金を補償するという。
5月27日は交通費51,590円(1人)で済んだが、今後は福祉サービス、各種手当、税金減免分等の支払いも予想され、98人に対しての補償であるので、分かっているだけで相当な負担となろう。
最終的な示談額について、今後公表されるのかは不明であるし責任の所在も今回は明らかにならず処分も書かれていない。
千葉県健康福祉部障害福祉課は、千葉県袖ヶ浦福祉センター虐待死事件の処理に目途をつけたが、またしても試練の時間を過ごしていることになる。
また他の都道府県は念のために、今回問題となった判定方法が適切にされているのか調査をしてもいいのではないだろうか。
<以下参考①>
身体障害者手帳の障害種別・等級等の決定誤り等について
平成26年11月12日 千葉県健康福祉部障害福祉課
再発防止に向けて
本年5月以降、誤りやすい具体例の事例集を作成し、県における手帳作成事務において
複数名によるダブルチェックを徹底させるとともに、課内の担当を1名増員し、チェック体制の向上を図っています。
職場内で事例検討などの研修を行うとともに、国からの通知の確認・点検やマニュアルの見直しを随時行い、担当者間で情報共有を図っています。
今後の対応
手帳の障害種別・等級等の誤りが判明した方々に対して、すみやかに、手帳の訂正や交換を行います。
調査の結果、各種福祉サービス・割引制度等を
適正に受けることができなかったことが判明した方々については、補償を行います。
手帳の障害種別・等級の誤りの確認などの御相談については、障害福祉課内に専用電話を設置して対応します。
【専用電話】043-223-2310
【上記以外の連絡先】043-223-2306,2307,2340
(受付時間:平日8時30分~17時15分)
平成23年度以前に交付した手帳についても、今後、順次遡って確認調査を行います。
<以下参考②>
身体障害者手帳の障害種別の決定誤りについて
平成26年5月27日
損害額 51,590円(1人)
※旅客運賃等に係る「第1種」の内容の割引が適用されなかったため
対応
(1)平成26年2月17日に相手方の自宅を訪問、謝罪をし、同日中に手帳の修正を行いました。
(2)以降4月28日までの間に、相手方の協力のもと、損害賠償額を算出し、4月28日に改めて相手方の自宅を訪問し、損害賠償の説明を行いました。(平成26年5月26日相手方と示談)
<以下追加引用> 過払いも想定されるという・・・思ったよりも深刻だ
障害種別、等級を誤判定 98人分、適正サービス補償へ 千葉県
2014年11月13日 千葉日報
千葉県は12日、県が発行した身体障害者手帳のうち、98人分が障害種別や等級などに誤りがあったと発表した。実際より低い等級で発行したケースもあり、適正なサービスを受けられなかった分は補償するという。
県障害福祉課によると、ことし2月、「種別」の誤りが発覚したのを受け、2012年4月からことし6月11日までに交付した2万7千件を調査。鉄道運賃の割引などを決める「種別」の誤りが47件、福祉サービスの内容などが決まる「等級」の誤りが26件、
「障害の部位が違う」などその他の誤りが27件あった。
県は「記載時のケアレスミスや判断基準の間違いがあった」などと説明。対象者に手帳の再発行などに関する文書を送付する一方、適正な割引などを受けられなかったケースには個別に補償に応じる。
また、過払いへの賠償について「具体的な話が出た場合に対応する」とした。
県は11年度以前に発行した手帳についても順次調査する方針。県健康福祉部の佐近優子次長は「県民の信頼を失うことになったことを深くお詫び申し上げる。今後、このようなことが無いよう対策を進めたい」とした。