厚労省、医療介護改革案の公表中止 強まる衆院解散論の余波?
2014年11月11日 産経新聞
厚生労働省は11日、13日に予定していた医療保険制度改革案の公表を中止すると発表した。安倍晋三首相が衆院解散・総選挙の検討に入ったことから、高齢者に負担増を求める改革案への反対意見が相次ぐ自民党の意向に配慮したとみられる。
改革案には、75歳以上が入る後期高齢者医療制度の保険料を最大9割軽減している特例措置についても段階的に廃止し、高齢者の保険料負担を増やすなどの内容が盛り込まれている。
早期解散が現実味を帯びる中で、11日に開かれた自民党の医療関係会合では、後期高齢者医療制度の軽減特例措置の見直しに反対論が続出。「負担増を掲げて選挙を戦えるのか」「後ろから鉄砲を撃たれるようなものだ」との声が相次いだ。
自民党の厚労族の一人は党内の反発を受け、「政治日程をみながら、(各議員の)地元での議論にマイナスにならないようにしたい」と改革案の修正を暗に求めた。厚労省も「負担増ばかりではなく、弱者に配慮した内容を加えざるを得ない」(幹部)として修正に応じる構えだ。
(春之介のコメント)
露骨なことだ。
国はすでに「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」(プログラム法)で改革の方向性を示し具体化作業を粛々と進めるしかない。
社会保障制度は景気対策とともに、国民がもっとも関心を持つ分野で応分の負担を誰もが覚悟している。
これからの全体像を詳細に知ること、そして政権党がどこであれ改革は待ったなしである。
議員生命の温存よりも、国民の命の温存をはかれない議員や官僚は、こうした安定政権時ですら保身を晒すのだろうか。
<以下参考> 外部リンク
社会保障審議会医療保険部会
(スケジュール予定)
(中間まとめ)
社会保障審議会医療保険部会での主な意見 PDF
平成26年8月8日
<以下引用>
医療改革案の公表中止=自民が負担増批判―厚労省
2014年11月11日 時事通信社
厚生労働省は11日、医療制度改革試案の公表を中止すると発表した。13日に公表予定だった試案には、75歳以上の高齢者の保険料を安くする特例を段階的に廃止することなどが盛り込まれる見通しだった。公表に際し、自民党から「低所得者への配慮が十分でない」との批判が強まり、さらに検討を加えることにしたという。
公表中止をめぐっては、早期の衆院解散が取り沙汰されていることを受け、国民の負担増を内容とした試案の公表を避けたい自民党の圧力が働いたとの見方も出そうだ。しかし厚労省幹部は、こうした見方を否定し「案の方向性は変わらない。打ち出し方を考え直す」としている。