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岐阜県庁・重症心身障がい児者の支援が充実! 看護職向け在宅支援マニュアル作成・専門看護師育成へ

重症心身障害児 在宅看護を支援 岐阜県などマニュアル
2014年9月5日 中日新聞

 自宅で生活する重症の心身障害児を看護する人材を増やすため、岐阜県看護協会と県は、生活支援や医療的ケアに関するマニュアルを1000部作成した。県内の訪問看護ステーションや医療機関を通じて看護師に配る。

 マニュアルはA4判43ページで、県内の看護師9人が分担して執筆した。食事、排せつの介助方法を写真やイラストを使って示し、呼吸や脈拍を観察する際の注意点も解説。たんや唾液の吸引方法なども説明した上で「看護職に活用いただき、重症心身障がい児に温かい手を差し伸べ適切なサポートにつながれば」との願いもつづった。

 重症心身障害児への医療をめぐっては、障害に関する知識の乏しさなどから診療を控える医療機関もあり、障害児が遠方の基幹病院に通うケースがある。

 県の2010年10月時点の調査によると、県内では、少なくとも580人の重症心身障害者が自宅で暮らす。県は、障害者とその家族の負担軽減を目指し、関連の医療に携わる医師、看護師の育成に取り組んでいる。(藤沢有哉)

(春之介のコメント)
岐阜県の取り組みは全国的にも限界を感じさせないもので、今後とも期待してよいだろう。

財政規模の大きな自治体であれば行政能力があるかと言えばそうではない。

そうであれば東京都が丁寧な仕事をどの分野でも行っているはずだが、現実にはそうはいかない。

国は地方創生を旗頭に地方活性化に取り組む「まち・ひと・しごと創生本部」を内閣官房に作り、担当大臣を置いて取り組みの姿勢を見せている。

過去から中央集権体制は揺らぐことなく単に掛け声だけになっているが、地方の疲弊は特に人口減少と相まって、消滅する地域も現実的にあちこちででてくることは避けられない。

反動として橋下大阪市長ら進歩的な首長が意識改革をウリにして試行錯誤しているが、イマイチという感がある。

ただ、すべての分野で華々しい結果を出せるものではないが、たった一つでもウリになるものを見いだして突破口とすることはできる。

岐阜県が住民サービスとしては規模の小さな重心障がい児者に対して重点を置いていくことで、新たに職員がやる気を出して取り組むことが他にも波及することは目に見えている。

他の都道府県のように、情報は逐一収集していても横並びを維持しているだけでは自治体としては魅力がないだろう。

岐阜県では、岐阜大に寄付講座を開設、人材確保事業、在宅医療研究会、医療地域資源マップ予備調査、そして今回のマニュアル作成と、行政のできることをし尽くした感がある。

それに呼応して民間やNPO、市民らが応えていくことが結局は地方創生なんだろう。

上から目線で、「最後は金めでしょ」という本音しかないならば行きつくところは見えている。

東京都「訪問看護師のための重症心身障害児在宅療育支援マニュアル」第2版のご案内

初版は2011年作成A4判 219ページで一般には配布されていない、第2版はA4判 225ページで
都民情報ルーム(都庁第一本庁舎3階北側)で1部270円で販売

岐阜県のマニュアルは、一から調べて書いたようで現場主義を感じた、しかも誰もが無料でダウンロードできてしまうところが凄くいい!


<以下参考> 外部リンク
重症心身障がい児看護「医療的ケアを必要とする子どもの在宅看護マニュアル」を作成しました
平成26年8月23日 岐阜県 健康福祉部地域医療推進課、障がい児者医療推進室

重症心身障がい児看護「医療的ケアを必要とする子どもの在宅看護マニュアル PDF


<以下関連引用>
重症心身障害児者のケアを 専門看護師育成へ
2014年05月20日 岐阜新聞

 重度の知的、身体障害がある重症心身障害児者の医療に携わる看護師を増やそうと、県などは19日、人材育成研修を開講した。都道府県が通年の研修を実施するのは、東京都に次いで2例目。

◆県の通年研修会、30人が受講

 県によると、医療技術の発達などで継続的な医療ケアが必要な重症心身障害児者が増加傾向にある中、ケアに携わる医師や看護師は慢性的に不足。特に養成課程で重症心身障害児者の看護を学ぶ機会はなく、専門的な知識と技術を持った看護師が育たない状況にあるという。

 研修は本年度の県委託事業として、県看護協会が実施。5年以上の勤務経験がある看護師を対象に、来年2月まで月1回のペースで74時間の講義や実習を行う。

 研修には県内の病院や障害児施設、訪問看護ステーションなどから30人の看護師が参加する。開講式は岐阜市薮田南のふれあい福寿会館で行われ、都竹淳也県障がい児者医療推進室長は「情報交換できる横のつながりで、今後の県の重症心身障害児者看護の基盤をつくりたい」とあいさつ。一人一人が自己紹介した後、県立看護大学の勝田仁美教授が「重症心身障害児者を理解するための基礎」と題して講義を行った。

 復職を考えているという安藤眞理子さん(45)=可児市=は「安心して家で暮らすには看護の力は必要不可欠。一生懸命に学び、自信を持って看護の仕事に関わりたい」と意欲を述べた。

<以下追加引用>
重症心身障害児短期入所、看護師雇用で支援- 岐阜県、多治見市民病院に事業委託
2015年03月13日 キャリアブレイン

 岐阜県は、医療的なケアを必要とする重症心身障害児について、専任看護師の雇用を通じた短期入所(レスパイト入院)の支援事業を始める。短期入所事業所の運営が困難となっている多治見市で、短期入所専門の看護師を確保し、重症心身障害児の受け皿の確保と専任看護師の育成を図る方針だ。【新井哉】

 県の調査によると、県内の重症心身障害児は676人。在宅化が進んでおり、10歳未満では9割以上が在宅であることから、「在宅支援体制そのものの充実が求められている」(同県)といった課題がある。また、義務教育期以下の子どもの医療依存度が高く、県は「特に乳幼児の濃厚な医療的ケアに対応できる人材育成が必要」としている。

 県は、看護師不足が深刻な多治見市では「短期入所事業所の運営が困難となっている」と説明。多治見市民病院に支援事業を委託し、同病院が非常勤職員として短期入所専門の看護師を確保する。

 同病院は業務提携契約を結んだ訪問介護・居宅介護事業所の看護師を非常勤職員として任用する。短期入所の事業収入で補えない人件費などの「赤字」の部分については、県が負担する見通しだ。

 この事業を通して、パートタイムで従事可能な潜在看護師などを確保するといった狙いがあり、県健康福祉部地域医療推進課障がい児者医療推進室の都竹淳也室長は「家族会も一緒にこのスキームを検討し、活用を促していく」と話している。


<以下追加引用>
重症障害者と家族の支援拠点
21015年04月10日 NHK岐阜放送局

岐阜県は、重い障害があって自宅で生活をしている人やその介護をしている家族を支援する拠点を岐阜市内に新たに設けました。
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新設されたのは『重症心身障がい在宅支援センターみらい』で、拠点は、県の委託を受けて運営を行う県看護協会の事務局に置かれます。
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10日は古田知事や看護師、重い障害のある子がいる家族など約40人を招いて開所式が行われ古田知事は「ただ相談を聞くだけではない先進的な取り組みを進めていって欲しい」とあいさつしました。

『みらい』では重い障害があって自宅で生活する人を介護している家族や、その看護を行っている医療関係者からの相談に、専門的な知識を持つ看護師が応じたり、障害者がいる家族同士が交流できる機会を設けたりしていきます。

開所式に出席した母親は「みらいの存在は障害児がいる母親の励みにもなるし、家族同士が情報交換できるようになるのもすごくありがたいです」と話していました。
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『みらい』の神谷知恵美センター長は「障害者のいる家族が抱えている不安を取り除くとともに、家族と医療や福祉、教育との間を取り持つ懸け橋のような役割を果たしていきたい」と話していました。


<以下関連>
重症心身障がい在宅支援センター「みらい」

公益社団法人岐阜県看護協会内(岐阜市薮田南5丁目14番53号 ふれあい福寿会館

重症心身障がい在宅支援センター「みらい」の体制

◎センター長(医療型障害児入所施設看護部長経験者)
 神谷知恵美(前・県立希望が丘学園看護部長)

◎コーディネーター(相談員)2名 ※7月から更に1名増員予定
 小谷美重子(元・県立下呂温泉病院看護部長)
 市川百香里(元・岐阜県総合医療センター 新生児内科看護師長)

・障がい児看護の経験豊富な看護師を含め、全員看護師を採用。
・従来の福祉職中心の相談機関では対応が難しかった、日常的に医療的な処置が必要な
障がい児者の支援に対応。


重症心身障がい在宅支援センター「みらい」が実施する事業
(1)相談窓口の設置
  ○在宅重症心身障がい児者サポートデスクの設置

 ・受付時間:平日の9:00~17:00
 ・窓口電話番号:058-275-3234
 ・窓口 E-Mail :mirai@gifu-kango.or.jp

(2)在宅重症心身障がい児者家族のネットワークづくり
  ○家族交流会の開催
  ○機関誌の発行

(3)在宅重症心身障がい児者支援人材の育成
  ○訪問看護ステーションへの研修


<以下参照動画> 〔企画:岐阜県 制作著作:ぎふチャンネル〕
①障がい児者を支える人たち 特別編1
https://www.youtube.com/watch?v=RC7-ybzJMbM

②障がい児者を支える人たち 特別編2
https://www.youtube.com/watch?v=Vh9G5h2VWkw


矢嶋小児科小児循環器クリニック(岐阜市)
子育てを幅広く支援 矢嶋小児科小児循環器クリニック 矢嶋茂裕さん
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130417135043244

③矢嶋小児科
https://www.youtube.com/watch?v=3VuGotpwMew


<以下関連エントリー>
重症障害児の在宅医療支援 岐阜県、推進プロジェクト「県小児在宅医療研究会」始動
by negitoromirumiru | 2014-09-09 08:45 | 医療 | Comments(0)


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