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また出た!心理職国家資格化、「公認心理師」とは!?⇒法案審議入り ⇒可決成立し早ければ平成30年から実施

国家資格「公認心理師」 法案提出目指す
2014年6月2日 NHK

自民党の文部科学部会と厚生労働部会は、病院や学校でカウンセリングや心理的なケアを行う人材の確保につなげるため、新たに「公認心理師」という国家資格を設けるための法案を取りまとめ、今の国会に議員立法で提出を目指すことにしています。
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病院や学校などでカウンセリングを行ったり心理的なケアを行ったりする専門職の資格には、現在、「臨床心理士」や「学校心理士」など民間の複数の資格はありますが、国家資格はありません。

このため自民党の文部科学部会と厚生労働部会は、社会で心のケアの重要性が増すなか、心理学に関する専門的な知識と技術を持った質の高い人材の確保につなげるため、新たに「公認心理師」という国家資格を設けるための法案を取りまとめました。

法案では、「公認心理師」は国家試験で認定し、受験資格は大学で心理学などを修めたうえで、卒業後、大学院で必要な課程を修了した人や、一定期間の実務経験を積んだ人などに与えるとしています。

自民党の文部科学部会と厚生労働部会は、今後各党にも呼びかけて今の国会に議員立法で法案の提出を目指すことにしており、2年後をめどに「公認心理師」の資格を設けたいとしています。

(春之介のコメント)
臨床心理士を国家資格に 「心理師」などへの名称変更も ⇒日本心理学諸学会連合が報道に注文!」をブログに書いたのが2011年のこと。

その後は、全く消えてしまいやっぱりかと・・・忘れていた。

また出てきた心理職国家資格、今度は「公認心理師」という名称。

既存の民間資格と重ならないようにすると、このような変な名称となるのだろう。

以前に共同通信で配信された記事では、「うつ病や自殺の増加などにより、心理療法のニーズが高まっているのが背景」とされていたが、今回は「社会で心のケアの重要性が増すなか、心理学に関する専門的な知識と技術を持った質の高い人材の確保につなげるため」という説明がなされている。

その時々の状況を書いているだけで、決定的に必要なことは未だになさそうだ。

以前の共同通信で配信された記事では、「2005年にも同様の法案が検討されたものの、精神科の開業医から競合の懸念が示されるなどしたため提出に至らなかった経緯がある」ということで、5年ごとにこうした動きは顕在化している。

関係者らには悲願の国家資格なのだが、過去の問題を克服できているわけではないらしい。

つまり医師との関係において、その指示関係が医師の下になるということが我慢できないのだ。

2011年段階では、「臨床心理士資格」を国家資格へという流れであったが、今回は、新たに試験制度を作って認定ということになる。

ただ内容的には臨床心理士制度を踏まえたものであろうことは容易に想像でき、かえって複雑になっていく。

この資格ができると法律的に報酬制度に組み入れられていき、結局、臨床心理士制度が瓦解していくのではないだろうか!?

臨床心理士制度は、傍目でみると生涯学習を前提としており、かなり厳しい内容であると感じる。

ただ一般的には、国家資格は一発合格で済んでしまい、その後の研鑽は必要なくてもやっていけるのだ。

私は個人的には資格制度はそれでいいと思うし、他の肩書名称は職能団体が国家資格を飾るような上位資格を付与することで運営されているばかりである。

つまり肩書名称を飾るものが欲しい人は、職能団体に加盟し、その研修を生涯にわたって受けることで名乗ることができるということに過ぎない。

国家資格と職能団体資格は、そのように補完しながら利権を分け合っている。

今回の「公認心理師」は、国家資格化のメリットを考えたい、自分の所有している民間資格を活用できるようにしたい、また全国に整備されている臨床心理士養成大学院らの経営も踏まえての調整となり複雑である。

個人的に考えることは、特に心理職においては肩書バブルがすでに崩壊しており、山ほどのカウンセラー資格を羅列しても、それがどのように臨床技術に反映し、利用者のプラスになるのかが全く反映されているのかが分からない。

そして最後に残るのが医師との指示関係と、同じメンタル分野である精神科医師との競合問題となる。

とにかく国家資格にしたいという悲願と、今まで積み上げてきた民間資格でもいいという考え方が心理職にはあるのだろう。

ただ福祉職の国家資格化の経緯を見てきた立場としては、資格化のための構想が熟していなかったために、国家資格と仕事のいびつさが残ってしまった。

具体的には、社会福祉士と精神保健福祉士の統合に失敗したこと、そして専門職としての待遇を受けることのない福祉士全般の法的位置づけのなさにある。

そして研究者や専門家すら気づかないし問題に感じていないらしい福祉士国家試験の合格率の資格間格差。

国家資格化を急いだばかりの福祉士の位置は、社会的に評価も著しく低いように感じる。

心理職は、すでに自ら臨床心理士制度を作り上げて実績をもっており、それは国家資格以上の権威を持っていると私は考える。

新たに国家資格化をめざす心理職により、法的にも身分的にも安定するならば推進するもいいだろうが、国家資格は国家の管理に入り関与されることを意味するので、その割り切りをどうするかだろう。

そして私は国家資格者は、誰に強要されずとも専門職としての生涯学習・技術向上は当たり前のことであり、特に職能団体の肩書名称は付けたしほどの位置しかないものと考えている。

さて、この国家資格化に失敗すれば、また5年後に記事を書くことになるんだろうね。027.gif


追記 安保関連法案の裏で…
2015年9月9日 公認心理師法 参院本会議で 可決成立

公認心理師法 官報
https://kanpou.npb.go.jp/20150916/20150916g00212/20150916g002120003f.html


公認心理師推進ネットワーク(略称:公認心理師ネット,CPN) http://www.ccppn.net/


<以下追加引用> 2017年度にも施行、国家試験は早ければ2018年から始まる見込み
公認心理師法 “ストレス社会”に新資格
2015年09月22日 佐賀新聞論説

心理職初の国家資格 公認心理師法成立で、福祉や教育分野での活躍期待
2015年09月21日 福祉新聞

 心理職の資格制度の創設運動は、1967年に始まり、90年代半ばから議論が本格。2005年には法案の骨子が固まったが、医療関係団体の反対により国会に提出されなかった。しかし、11年10月には関係団体の足並みがそろい、国家資格化の要望書を確定。14年の通常国会に議員立法で提出されたが廃案となり、今通常国会に再提出された。

<以下追加引用>
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<以下参考引用>
心理職に国家資格を:パンフレット PDF
日本心理学諸学会連合
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<以下関連引用> 外部リンク
公認心理師法案が審議入り 衆・文部科学委 初の国家資格、文科・厚労共管、次の第187臨時国会で成立?
2014年06月18日 宮崎信行


追記
公認心理師カリキュラム、WGで素案作成へ
2016年09月20日 医療介護CBニュース

 厚生労働省と文部科学省は20日、新たに創設される国家資格の「公認心理師」に関する検討会の初会合で、養成に必要なカリキュラムなどの検討事項の案を示した。2018年度に予定されている初回の試験に間に合わせるため、検討会にワーキンググループ(WG)を設置してカリキュラムの素案を作成した上で、その素案を基に検討会で報告書を取りまとめる見通しだ。

 医療機関などで勤務する心理職の資格については、「臨床心理士」や「認定心理士」、「臨床発達心理士」などがあるが、いずれも民間資格で、認定や養成課程は独自の基準で実施されているため、知識や技量に差があるといった懸念も出ていた。

 こうした状況を改善するため、昨年9月に公認心理師法が成立し、国家資格を持つ専門職が創設されることになった。業務は、支援が必要な人の心理状態の観察や結果の分析、相談・指導などを想定しており、大学と大学院で指定の科目を修め、大学院の課程を修了した人に加え、大学で指定科目を修め、卒業後一定期間の実務経験を積んだ人などに受験資格がある。

 この日の会合で、厚労省と文科省は、具体的な検討事項として、▽必要な科目や教育内容、実習・演習などのカリキュラム▽現任者(現時点で心理職として活動をしている人)に対して免除する試験科目▽現任者の範囲と講習会の内容・時間数―などを示した。

 また、次回の検討会までに公認心理師に求められる役割や知識、技能について、現状を踏まえて領域ごとに整理することや、必要な科目を検討するWGを設置し、「素案を整理の上、検討会において意見の取りまとめを行う」といった議論の進め方を説明した。

 検討会の委員からは、臨床心理士の資格者への配慮を求める意見や、試験に合格するかどうか分からない人を医療機関が雇わない可能性を挙げ、大学卒の実務経験者の枠が「有名無実化」することを懸念する声も出た。来月から来年1月にかけてWGを6回程度開き、大学・大学院で必要な科目や現任者・実務経験の範囲などを検討し、素案をまとめる予定。

<以下追加引用>
公認心理師カリキュラム等検討会報告書 PDF
2017年5月31日 公認心理師カリキュラム等検討委員会

<以下追加引用>
2万8千人が公認心理師に 初の国家試験、合格率79%
2018年11月30日 中日新聞デジタル

 厚生労働省は30日、9月に初めて行われた公認心理師の国家試験に2万7876人が合格したと発表した。受験者数は3万5020人で、合格率は79・6%。北海道では9月に起きた地震の影響で試験が中止され、12月16日に追加試験が行われる。

 合格者の75%が女性で、年齢別では31~40歳が約1万人と最も多かった。合格者には証書と国への登録申請書が郵送される。登録が完了すれば、公認心理師として働くことができる。

 公認心理師資格は「心のケア」など心理職の重要性が高まる中、一定の専門性や技術を確保するために2015年成立の法律で新設された。(共同)

・第1回公認心理師試験(平成30年9月9日実施分)合格発表について(厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=k26AkgGccVDjNV8BY


<以下関連エントリー> 国家資格合格率格差の問題!
第25回社会福祉士合格率18.8%、第15回精神保健福祉士合格率56.9%、第25回介護福祉士合格率64.4%


by negitoromirumiru | 2014-06-02 07:44 | 福祉 | Comments(0)


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