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青色灯設置で駅での飛び込み自殺84%減 VS 液晶画面のLED青色光 健康への影響!?調査

青色灯で駅での飛び込み8割減
 2012年10月10日 NHK

人の気持ちを落ち着ける効果があるとされる青い電灯を、首都圏の駅のホームに設置したところ、列車に飛び込んで自殺を図った人の数が80%余り減少したという調査結果を、東京大学の研究グループがまとめました。
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人が列車に飛び込むことによる電車の遅れや運休などは、平成18年度には全国で534件でしたが、3年後の平成21年度には682件と3割近く増え、JRや私鉄各社は、ホームドアや、人の気持ちを落ち着かせる効果があるとされる青い電灯の設置を進めています。
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こうしたなか、東京大学の研究グループは、首都圏にある71の駅を対象に、平成12年からおととしまでの11年間に列車に飛び込んで自殺を図った人の数を調査しました。その結果、全体では128人に上りましたが、平成20年からおととしにかけて青い電灯が設置されたあとの11の駅では1人しかいませんでした。

研究グループはこのデータを基に、駅の利用者数などを考慮して計算した結果、青い電灯を設置したあとの駅は、自殺を図る人がおよそ84%減少したと結論づけました。研究グループでは、「自殺防止の対策には、ホームドアの設置も重要だが、青い電灯はコストもあまりかからず、有効な対策になる」と話しています。

LED青色光 目への影響調査
 2012年10月10日 NHK

急速に普及しているLED照明に多く含まれる青色の光について、眼科の医師などで作る研究会は、眠る前にこうした光を浴びると、睡眠のリズムが乱れるなどの影響が出るおそれがあるとして、詳しく調べることになりました。

眼科や精神科の医師などで作る研究会は、パソコンやスマートフォンの液晶画面などから出る、青色の光の目や体への影響を検証しています。

研究会では、青色の光が目に見える光の中で波長が最も短く、エネルギーが強いため、ほかの光より目に対する負担が大きく、長時間見ると網膜に炎症が起きるなどのおそれがあるとしています。
この青色の光は、従来の照明より消費電力が少ないLED照明にも多く含まれているということで、研究会は、眠る前にこうした光を浴びると、睡眠のリズムが乱れるなどの影響が出るおそれがあるとして、詳しく調べることになりました。

「ブルーライト研究会」の会長で、慶應義塾大学医学部の坪田一男教授は、「LED照明は急速に普及しているので、光にどのような影響があるか、光が直接目に入らない場合も体に負担があるのかなどを調べることが重要だ」と話しています。

(春之介のコメント)
NHKが同時に報道したのは、一方では青色灯が自殺防止に役立つという研究であり、もう一方はLED青色光が健康に影響を与えるという研究会の話だ。

後者のブルーライトとは、主に液晶画面から出る光のことである。

青色という色調に人間は反応するのかと思いきや、照明とLED光では波長が違うのだろうか!?

それにしても列車の人身事故防止は人的・経済的に損失が大きく是非とも対策が必要だろう。

一時は、あの遮断機の警報音が自殺を誘引するという報道もあったような気がするが・・・

NHKは、こうした疑問も含めて番組を制作してもらえるといい。

追記
同時期に、青色灯とLED青色光を報道したために、ごちゃまぜになって検索されている方がいる。


ブルーライト研究会  http://blue-light.biz/

<以下一部引用>
"ブルーライト" 健康への影響は?
2012年06月01日 NHK生活情報ブログ

研究会によりますと、青色光「ブルーライト」は目に見える光の中で波長が最も短く、エネルギーが強いため、ほかの色の光よりも目に対する負担が大きく、長い時間見ると網膜に炎症が起きるなどのおそれがあるということです。
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また、青色の光は太陽の光にも含まれていて、夜に浴びると、睡眠のリズムが乱れることもあると指摘されています。

杏林大学医学部の古賀良彦教授が、寝る前に1時間、スマートフォンを見てもらう実験を行ったところ、青色の光を減らすよう加工されたメガネを使ったほうが睡眠時間が長く、睡眠の質もよいという傾向がみられたということです。

「ブルーライト研究会」の会長で慶應義塾大学医学部の坪田一男教授は、「目の疲れのほか、体内リズムも青色の光の影響を受けると考えられるので、目と全身の2つの視点で研究していきたい」と話しています。

<以下参考引用>
青色灯設置により、列車への飛び込み自殺が減少
平成24年10月9日 東京大学大学院経済学研究科

1.発表者:

澤田康幸(東京大学大学院経済学研究科教授)
上田路子(Syracuse University, Research Assistant Professor of Political Science)
松林哲也(University of North Texas, Assistant Professor of Political Science)

2.発表のポイント:

◆どのような成果を出したのか
 首都圏のある鉄道会社のデータを用いた統計分析により、駅ホームにおける青色灯の設置後に鉄道自殺者数が平均して約84パーセント下落することが分かった。

◆新規性(何が新しいのか)
 自殺対策として、様々な鉄道会社が駅や踏切において青色灯の設置を進めてきたが、その科学的証拠は皆無であった。本論文は鉄道駅青色灯の自殺防止効果を初めて示した研究である。

◆社会的意義/将来の展望
 ホームドア設置に加えて、青色灯設置が有効な自殺防止の方法であることが明らかにされたことは、緊急の鉄道自殺問題の具体的対策を推し進める上で社会的意義が大きい。

3.発表概要:

 鉄道駅や踏切における列車への飛び込み自殺は多くの国で大きな社会問題の一つとなっているが、特に日本では、自殺による輸送障害が増加しており、自殺対策全体において重要な課題となっている。東京大学の研究グループ(大学院経済学研究科教授の澤田康幸、アメリカ・シラキュース大学の上田路子、アメリカ・ノーステキサス大学の松林哲也)は、列車への飛び込み自殺を防止する手段として、鉄道会社により近年用いられるようになった青色灯の効果について、首都圏のある鉄道会社のデータを用いた統計分析を行った。駅における青色灯設置と自殺者数のデータを用いた分析の結果、青色灯の設置後には自殺者数が平均して約84パーセント下落することが分かった。

 これまでJR各社をはじめとして様々な鉄道会社が駅や踏切において青色灯の設置を進めてきたが、青色灯の設置によって自殺者数が減ったことを示す科学的証拠はこれまで提示されていなかった。本論文は鉄道駅における青色灯の自殺防止効果を厳密な統計解析によって初めて示した研究である。以上により、青色灯も、ホームドアに加え有効な鉄道自殺防止の方法になり得るということが示された。

4.発表内容:

 鉄道駅や踏切における列車への飛び込み自殺は多くの国で大きな社会問題の一つとなっている。特に日本では、自殺による輸送障害(列車の運休や30分以上の遅延など)は2006年度に534件であったものが2009年度には682件と3年間に3割近くも増えており(国土交通省の調査による)、鉄道自殺を抑止することは自殺対策全体において重要な課題となっている。また、列車への飛び込み自殺は、目撃者や関係者に精神的なショックを与えたり、安全な鉄道の運行を妨げたりするだけでなく、到着の遅延を招くなど大きな社会的損失を生み出す原因となることからも、緊急の対策が必要とされる問題だと言える。Journal of Affective Disordersのオンライン版にて公開された”Does the installation of Blue Lights on Train Platforms Prevent Suicide?: A Before-and-After Observational Study from Japan”において、東京大学の研究グループ(大学院経済学研究科教授の澤田康幸、アメリカ・シラキュース大学の上田路子、アメリカ・ノーステキサス大学の松林哲也)は、列車への飛び込み自殺を防止する手段として、鉄道会社により近年用いられるようになった青色灯の効果について、首都圏のある鉄道会社のデータを用いた統計分析の結果を発表している。青色灯は、踏切やホーム端に設置され、点灯は夜間のみ行われている。駅における青色灯設置と自殺者数についての2000年から2010年のデータを用いて分析を行ったところ、青色灯の設置後には自殺者数が平均して約84パーセント下落することが明らかになった。自殺者数の同様の減少は青色灯未設置の駅においては観察されていない。なお、駅によって自殺件数に違いが存在するため、分析の際には駅の特性などが考慮に入れられている。

 これまで、JR各社をはじめとして様々な鉄道会社が駅や踏切において青色灯の設置を進めてきた。青色灯には人間の気持ちを落ち着ける作用があるとされ、自殺を思いとどまらせる効果への期待がその背景にある。しかし、自殺を試みる人々の心理・行動に対して青色照明が持つ効果については科学的に証明されているわけではない。また、青色灯の設置によって自殺者数が減ったことを示す科学的証拠はこれまで提示されていなかった。本論文は鉄道駅における青色灯の自殺防止効果を厳密な統計解析から初めて示した研究であり、今後の自殺防止対策に重要な示唆を与える。鉄道駅における自殺防止対策としてホームドアの設置が効果的であることがこれまで論じられてきたが、プラットホームの改良等が必要となるためその設置費用も大きい。一方、ホームドアに比べ青色灯設置の費用は低いと考えられるため、費用対効果という点から考えて、青色灯の設置も、ホームドアに加えて有効な自殺防止の方法だと言えるであろう。
 
5.発表雑誌:

雑誌名:Journal of Affective Disorders, Elsevier (2012年9月11日掲載)
論文タイトル:”Does the installation of Blue Lights on Train Platforms Prevent Suicide?: A Before-and-After Observational Study from Japan”
著者:澤田康幸、上田路子、松林哲也


<以下関連引用> これは盲点!未遂者対策も効果ありそうだが・・・
鉄道自殺未遂、未通報多く JR各社や私鉄 再発防止へ支援手つかず
2014年8月25日 qBiz 西日本新聞経済電子版

 鉄道自殺が後を絶たない中、駅のホームから線路に飛び込むなどした人が列車と接触する前に助け出された場合、JR各社など鉄道会社の多くが、本人のけがや鉄道側の損害がなければ家族や警察に連絡・通報せず、そのまま立ち去らせていることが、西日本新聞の取材で分かった。自殺者の4割に自殺未遂歴があるともいわれており、鉄道自殺を図ったことがある人を周囲が把握し、支援する仕組みづくりが急がれる。

 鉄道各社によると、線路内に立ち入った人が負傷したり、運休・遅延や車両の破損などで損害が発生したりした場合は、「救急搬送や被害請求の必要があり、身元を確認して警察などに通報する」(JR西日本)ことが徹底されている。

 しかし、けがなどがなかった場合には、「必ず通報する体制にはない」(同)、「個人情報の問題もあり、名前や連絡先は聞かない」(JR東日本)など、多くが身元確認していない。

 九州でも同様の傾向で、JR九州は「マニュアルはなく現場の判断に委ねている。全員に名前などを確認するわけではない」。西日本鉄道も「後続列車に再発警戒を促すほか、挙動不審な場合は警察に通報して保護をお願いしているが、立ち去る人が多い」という。全駅に転落防止のホームドアがある福岡市営地下鉄は「線路内に入ろうとした利用客がいれば制止して保護し、警察に必ず引き渡して対応を依頼している」というが、全国的にも少数派だ。
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 国土交通省によると、線路内立ち入りなどによる輸送障害は2013年度に全国で2036件起き、約3割の599件が自殺だった。「自殺と特定できなかったが、その可能性がある事例も少なくない。けがも、運休や30分以上の遅延もなかった場合は事業者が国に報告する必要はないため、未遂に終わった鉄道自殺の件数は把握できていない」(鉄道局安全監理官室)という。

 NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」(東京)の清水康之代表は「外傷の有無ではなく精神的な状況の危険度、自殺リスクを踏まえた判断が必要であり、自殺未遂の疑いがあれば警察に通報することが望ましい。鉄道会社だけでなく行政が連携し、支援につなぐ体制を整えるべきだ」と話している。

<以下追加引用> 国交省統計で「人身障害事故」は自殺は除かれ「輸送障害」に
JR東の人身事故急増、8年で3倍 国交省統計
2016年3月12日 産経新聞

 JR東日本の在来線で人身事故が急増していることが11日、国土交通省の統計で分かった。平成26年度は18年度の約3倍に増加。JR東は「25年度に人身事故の基準を変更したため」と話しているが、24年度には既に18年度の約2倍に増えている。ダイヤの乱れにもつながる人身事故の原因究明と有効な対策が急務となっている。

 国交省がまとめた「鉄軌道輸送安全情報」では、本人の故意でない列車との接触で命を落としたり、けがをしたりした事故を「人身障害事故」と定義して集計。主にホームからの転落やホーム上での接触、線路内立ち入りを含み、自殺や脱線事故などは除かれる。

 それによると、JR東(在来線)の26年度の人身障害事故は163件で、統計の公表が始まった18年度(57件)の約3倍。JR全7社で最も多い。JR東の説明によると、国交省への報告基準を25年度下期に見直し、警察が明確に自殺と認めない事故を人身障害事故に計上するようになり、25、26年度は連続して増加したという。

 しかし、見直し前の24年度は108件で18年度の約2倍と、こちらもJR全7社で最多。JR西日本は現在のJR東と同じ基準で報告してきたが、18年度以降、減少傾向となっている。

 国交省によると、対策となるホームドアはJR東で22年から整備が始まり昨年9月末時点で19駅、JR西では23年から始まり同時点で3駅に設置。JR西と比べてJR東の方が整備は進んでいるほか、点字ブロックや非常用ボタン増設など対策も進めているが、十分な効果は得られていない。

 交通機関の安全に詳しい関西大の安部誠治教授(公益事業論)は「酔客による事故や『歩きスマホ』による接触が増えているようだが、明確な理由は分からない」と話し、国交省でも具体的な理由は把握していないという。

 JR東の広報は「酔客による事故が増えている。対策を粘り強く実施していく必要がある」と話している。

<以下参考> 厚生労働省自殺対策推進室が筆者の開示請求に応じてデータを提供
鉄道自殺、最多の原因は「健康問題」だった
過去7年分の自殺原因や性別・職種を集計
2016年10月28日 東洋経済ONLINE
http://toyokeizai.net/articles/-/142241

佐藤 裕一 :ジャーナリスト(回答する記者団)
by negitoromirumiru | 2012-10-10 05:22 | 躁鬱 | Comments(1)
Commented by hattori at 2012-11-21 21:03 x
LED照明と青色の健康リスクは欧米でも中国でも問題になっており、世界で連携してこの問題に取り組んで欲しいものです。私も以下のページでまとめてみました。ご参考にして下さい。
http://homepage2.nifty.com/lovejazz4/lig/light4a.html


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