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〈続報〉診療報酬不正受給、豊岡会が謝罪 不正受給総額未だ確定せず 「返済には10年以上」

診療報酬不正受給、豊岡会が謝罪 「返済には10年以上」
2012/3/30 日経新聞

 医療法人「豊岡会グループ」(本部・愛知県豊橋市)が50億円超の診療報酬を不正受給していた問題で、豊岡会は30日、同市内で会見を開き、一連の問題発覚後に就任した鈴木道生理事長が「利用者と家族、保険者など関係者の皆様に多大なる迷惑をかけた」と謝罪した。不正受給した分の返済については「10年以上かかる」との見通しも示した。

 一方、診療報酬の不正受給総額については「厚生労働省の監査中で、自主調査も終わっていない」(調査を担当する吉田良夫弁護士)として明らかにしなかった。額が確定し次第、保険者や自己負担をした患者に返還する。ただ今後、保険医療機関の指定取り消しを受けた場合は経営が成り立たず「返済できなくなる可能性もある」(同)という。

 同会傘下の4病院はいずれも療養型で入院料収入がほとんどを占める。入院料のランクは看護師数などの基準に応じて3ランクあり、同会は本来最低ランクで請求すべきところを、その1.3~3倍になる真ん中のランク「療養病棟入院基本料2」で請求していた。

 同会の説明によると、傘下のはまなこ病院(浜松市)では、「療養病棟入院基本料2」の基準達成に必要な数の看護師がいない状態だったが、この入院料を請求していた。ほかの3病院では看護師数は足りていたが、月平均72時間以下と定められている基準を超えて夜勤をしていたという。

 一方、基準を満たさない状態で東海北陸厚生局に提出した書類が、同局から何も指摘を受けなかったこともあったといい、行政側のチェック体制のずさんさも改めて問われそうだ。

(春之介のコメント)
総額50億円と報道されていたが、未だに分からないと法人側は述べている。

ならば記者会見で途中経過を報告しても良さそうだが、それはせずに、マスコミを非難している。

一体、この医療法人は何を感じて何をしたいのか皆目不明である。

記事にあるように保険医療機関取り消しとなると、一気に破たんし、職員や入院患者は次なる施設に移動となる。

以下の法人の説明にあるように、入所者1000名と職員1000人を人質にとっており、簡単には処分させないぞいう意気込みがあるようだが・・・ 013.gif

今でも意図的な不正請求ではなく過大請求の原因は知識不足とウソぶいており、新体制になっても変化はないようだ。

法人側が自己検証した問題点列記は枝葉のことであり、事務的な問題でないことを明らかにしなければ、原発問題のように責任の所在が分からず同じことを繰り返すだけに終わる。

また、中日新聞にある検証記事のように、内部告発のようなことを除いては、医療機関側の申請をチェックできないということであり、こうしたことを長年放置してきた厚労省の問題も指摘される。

零細事業者はどんどん取り消し処分する厚労省だが、計画的にやらないと不正蓄財が闇に消える可能性もあり、どうして刑事司法に委ねて強制調査しないのか分からないね。


<以下参考引用>
本日の一部報道につきまして
2012年03月21日 豊岡会

今回,このような事態を招き,ご利用者様,保険者様,行政機関の皆様をはじめとする多くの関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますこと,深くお詫び申し上げます。

当法人は,倒産による介護報酬と医療報酬の返済の不履行というルートではなく,経営の再建を通じて保険者様,ご利用者様に全額の返済をしながら,地域への医療及び介護サービスの提供を継続し,それにより地域の約1000人の雇用も継続することを選択したいと念じ,そのために全力を傾けて努力しているところでございます。

本日の一部報道につきまして,以下のとおりご報告申し上げます。

本日の一部報道におきまして,当法人の診療報酬の過大受給金額が50億円超と報道されておりますが,当法人の自主計算によれば相当に多額に及ぶことは間違いございませんが,50億円超には至っておりません。

 なお,当法人と致しましては,介護報酬の場合と同様,診療報酬の過大請求額の全額について返済をするつもりでございます。すでに当法人のホームページにおいてお知らせしております通り,介護報酬の返済については,診療報酬の過大請求分も見越した返済スケジュールに従い,保険者様及びご利用者様への返還及び返金をすでに実行しております。

 また,当法人におきまして,現在は全ての病院において,適切な人員を配置し,適切な診療報酬請求を行っております。

同記事において,厚生労働省が実態解明に向け調査に乗り出したとの記載がありますが,これについては当法人は事情を存じません。ただ,当法人は,はまなこ病院と岡崎三田病院については,厚生局より監査を受けている最中です。

同記事には当法人が内部調査を進めており,近く結果を公表するとの記載がありますが,当法人におきましてはその様な事実は把握しておりません。

 当法人が把握している実態につきましては,昨年度10月の記者会見の際に説明をした通りですが,当法人は昨年10月以降,介護と医療の過大請求分についての全額の返済と内部体制の改善にむけて全力を傾けており,地域での療養型医療及び介護を通じて約1000人の患者様,入居者様への医療介護サービス提供をさせていただき地域貢献をしたいと念じております。また,約1000人の従業員の雇用を維持する社会的責務を果たしたいと念じております。

 なお,同記事によりますと事務長が意図的に不正請求をしていたような内容になっておりますが,事務長はそのような認識ではございませんでした。これについては昨年10月の記者会見時にご説明した内容と同じでございます。

また,今後の記者会見については本日の記事内容が突然の報道ということもあり現時点では記者会見の予定はございません。


<以下引用>
◆診療報酬50億円不正受給 愛知の豊岡会
 2012年3月21日 東京新聞

 愛知県豊橋市に本部を置く医療法人「豊岡会」グループが、所属する看護師を水増しし、昨年までの五年間に愛知、静岡両県の四病院で計五十億円の診療報酬を不正受給していた。豊岡会の内部調査で分かった。診療報酬の不正受給額では国内で過去最大。厚生労働省は実態解明に向けて調査を始めた。

 グループでは昨年十月、複数の介護施設で二十五億円分の介護報酬の不正受給が発覚し、当時の鈴木市三理事長が辞任している。

 豊岡会によると、今回問題となったのは浜松市北区の「浜松とよおか病院」と「はまなこ病院」、豊橋市の「豊橋元町病院」、愛知県岡崎市の「岡崎三田病院」。二〇〇六年から一一年まで不正請求を繰り返していた。

 四病院は、慢性疾患患者などが長期入院する療養病棟での利用を中心に運営。病棟の一泊当たりの入院料は三段階のうち一番低い「特別入院基本料」(一律五千六百三十円)だが、最大で特別入院基本料の三倍ほどになる「療養病棟入院基本料二」(七千二百二十~一万六千九百五十円)を請求していた。

 「療養病棟入院基本料二」の対象となるのは、病棟の看護師一人当たりの患者数が二十五人以下で月平均夜勤時間を七十二時間以内に抑えるなどの条件が必要。豊岡会は所属する看護師数を水増しして、看護師一人当たりの患者数と夜勤時間を実態より少なく見せるように偽装していた。

 豊岡会の広報担当者は二十一日午前、「このような不正を繰り返し、大変申し訳ない。内部調査中だが、不正請求分は今後返還していきたい」と話した。

 <診療報酬と介護報酬>
 公的医療保険を使った場合の医療行為の公定価格が診療報酬。手術や検査など内容ごとに点数化されている。算定された報酬額のうち原則3割は患者が負担するが、残りは患者が加入する医療保険が病院などに支払う。介護サービスを提供した事業者に支払われる対価の公定価格は介護報酬。原則として自己負担は1割で、残りは保険財政から支払われる。

 <医療法人「豊岡会」グループ>
 愛知県豊橋市に本部を置く。1973(昭和48)年設立。愛知、静岡県内で療養型病床の病院や介護老人保健施設などを運営。昨年10月時点で従業員1131人、病床数1093。昨年の介護報酬の不正受給問題では、愛知県から、運営する4施設14事業の新規利用者受け入れの停止処分(3~6カ月)を受けた。

◆診療報酬不正受給 制度悪用 調査に限界も
 2012年3月21日 中日新聞

正しい届け出が前提

 50億円に上る過去最大規模の診療報酬不正受給が明らかになった医療法人「豊岡会」グループ(本部・愛知県豊橋市)。看護師数に応じて決まる診療報酬制度を悪用し、水増しの届け出を繰り返していた。基準を定める国は、長期間にわたって不正を放置していたことになるが、担当者は調査の限界も指摘する。

 診療報酬は、診察や検査、手術などの医療行為に応じて医療機関に支払われる。算定された額のうち、原則3割は患者が負担し、残りは医療保険が病院などに支払う。

 報酬額は、健康保険法に基づき厚生労働省が細かく基準を定める。基準適用の申請は看護師数や重症患者の割合などに応じて、各医療機関が全国に8つある地方厚生局に届け出る。不正請求の疑いがあれば厚生局が監査に入るが、豊岡会から届けを受けていた東海北陸厚生局(名古屋市)は「基本的には届けが正しいという前提なので、情報提供がなければ不正を見つけるのは難しい」と話す。

 豊岡会で昨秋発覚した介護報酬の不正受給に関する監査権限は、介護保険法に基づき各自治体が持つ。介護報酬は原則として自己負担は1割で、残りは自治体の保険財政から支払われる。

 健康保険法が定める診療報酬の調査・監査権限は、国だけにとどまる。自治体は医療法に基づき、各医療機関が安全で適正な医療を行うために医師や看護師を確保しているかの調査しかできない。

 豊岡会の豊橋元町病院がある豊橋市は、年に1度、同病院に立ち入り調査を行ってきたが、担当者は「診療報酬の調査に市は関与できない」と言う。

◆診療報酬など不正受給の「豊岡会」が謝罪(愛知県)
 2012/3/30 中京テレビ
〈続報〉診療報酬不正受給、豊岡会が謝罪 不正受給総額未だ確定せず 「返済には10年以上」  _e0151275_1428612.jpg

 介護報酬に続き、診療報酬の不正受給が明らかになった愛知県豊橋市の医療法人「豊岡会」が30日、会見を開き、謝罪した。しかし、不正受給の額については計算中として、明らかにしていない。医療法人「豊岡会」はこの日の会見で運営している4つの病院で、看護師の人数を水増しするなどの手口で診療報酬を不正に受け取っていたことを認め、謝罪した。しかし、不正受給の額について、これまで約50億円としていたが、会見では「計算中」として明らかにしなかった。豊岡会では去年、介護報酬約24億円を不正に受け取っていたことが判明していて、診療報酬とともに全額を返済する方針だが、返済期間は10年を超える見込みとしている。


<以下参考引用>
介護報酬の過大請求について
2011年11月16日 豊岡会

このたび,当法人が静岡県及び愛知県で運営する介護保険施設において,介護報酬を過大に請求し受領し,返還・返金をする必要があることが明らかになりました。

今回,このような事態を招き,利用者様,保険者様,行政機関の皆様をはじめとする多くの関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますこと,深くお詫び申し上げます。

当法人としては,過大に請求し受領した介護報酬につきましては,全額返還することを決定し,準備を進めております。

1.過大請求の背景と基準違反について

 ①人員基準上必要とされる員数を置いていないにも関わらず,減算をせず,介護給付費を過大に請求し,受領していました。
 ②指定介護療養型医療施設において,夜勤勤務時間の限度(職員一人当たり平均で,介護保険病棟64時間)を超過しているにもかかわらず,限度内の基準で保険請求し,報酬を受領していました。
 ③一部施設において,実地指導の際に,人員基準上必要とされる看護職員又は介護職員の員数を置いていないにも関わらず,人員基準を満たしていたかのような記載がなされた「勤務割表」を提出していました。
 ④一部施設において,更新許可申請書類として,人員基準上必要とされる看護職員又は介護職員の因数を置いていないにも関わらず,人員基準を満たしていたかのような記載がなされた「勤務割表」を提出していました。
 ⑤「滝町老健」の開設許可申請時及び「滝町ショートステイ」の指定申請時に,人員基準上必要とされる看護職員又は介護職員の員数を置いていないにも関わらず,人員基準を満たしていたかのような記載がなされた許可申請書を提出していました。

2.長期間にわたり過大請求が続いた原因について

 ①組織運営に対する理事長の認識の甘さ,報告・相談がしにくい風通しの悪さ
 ②医療事務の担当者への教育,研修の機会が不十分であった
 ③請求事務についての組織としての管理体制の不備
 ④介護記録の適切な処理,正しい請求をしているか否かの内部チェック体制の不在
 ⑤報酬額を計算する部署と,現場の間で適正な情報が共有されない組織体制
 ⑥各施設の事務責任者(事務長)の知識,経験不足

3.人配置基準及び介護報酬請求の現在の状況
 (1)現時点では,介護施設の人員配置基準はすべての施設において満たしております。
 (2)夜勤制限につきまして,全ての施設において,適切に介護報酬の請求を行っております。

4.経営責任及び理事長の交代

当法人では、今後二度とこのようなことを起こさないために,前理事長の鈴木市三は11月16日付で理事長を辞任し,同日付で豊橋元町病院の院長である鈴木道生が新理事長に就任致しました。(※鈴木道生は現理事長の鈴木市三と同姓ですが、鈴木市三とは血縁関係は一切ございません。)詳細につきましては,『理事長交代のお知らせ』 をご参照ください。

また,前理事長鈴木市三は,今回の責任を取り,個人的に保有する金融資産(現金および上場有価証券)の全てを順次現金化し,今回の過大請求の返済原資とします。

5.再発防止策について

当法人では,本件を受けて,再発防止のために,以下の施策に取り組んでおります。
 (1)保険制度に関する教育・研修制度の義務付け,有資格者の採用
 (2)従業員の労務管理の強化
 (3)ヘルプラインの設置
 (4)慢性的な人員不足の解消,処遇・職場環境の改善
 (5)本部機能の強化
 (6)コンプライアンス経営の導入

本件につきましては、利用者様,保険者様,行政機関の皆様をはじめとする多くの関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを改めまして深くお詫び申し上げます。

以上

<以下、事件概要エントリー>
介護報酬25億円に加えて 診療報酬50億円も不正受給 過去最大!愛知の医療法人「豊岡会」 厚労省調査へ

<以下、続々報 エントリー>
医療法人「豊岡会」巨額診療報酬不正受給事件 岡崎三田病院、はまなこ病院の保険指定取り消しへ 来年3月
by negitoromirumiru | 2012-03-31 14:33 | 医療 | Comments(0)


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