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ALS患者2人、全国初の提訴 「24時間体制で介護を」

ALS患者2人、初の提訴 「24時間体制で介護を」
2010年9月16日 共同通信

 筋肉を動かす神経が徐々に侵されていく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」に苦しむ和歌山市の70代の男性患者2人が16日、1日に介護サービスを8時間しか受けられないのは不十分だとして、市に24時間体制の介護を求める訴訟を和歌山地裁に起こした。
 原告代理人の長岡健太郎弁護士によると、ALS患者が介護サービスの時間拡大を求める訴訟を起こすのは全国初めて。
 訴状によると、2人はたんの吸引や人工呼吸器の管理のため、24時間介護が必要だが、市は障害者自立支援法に基づき月268時間分しか公費負担していない。
 長岡弁護士は「高齢で持病のある妻が付きっきりで介護している。個人の生活実態を踏まえた支給決定でなくてはならない」としている。
 厚生労働省によると、国内のALS患者は2009年3月末時点で約8200人。

(春之介のコメント)
全国初が意外である。

24時間介護を認めると、波及は想像を超えるね。


〈以下引用〉
和歌山のALS患者 「市は24時間介護を」 全国初の提訴
2010年9月16日 産経新聞関西

 筋肉を動かす神経が徐々に侵されていく難病「筋萎縮<いしゅく>性側索硬化症(ALS)」に苦しむ和歌山市内の70代の男性患者2人が16日、1日に8時間しか介護サービスが受けられないのは不十分として、和歌山市を相手取り、24時間体制の介護や慰謝料100万円などを求める訴訟を和歌山地裁を起こした。

 原告代理人の長岡健太郎弁護士によると、ALS患者が介護サービスの時間拡大を求める訴訟を起こすのは全国初という。

 訴状によると、2人は寝たきりの状態で、たんの吸引や人工呼吸器の管理などのため24時間体制の介護が必要だが、市は障害者自立支援法に基づき月268時間分しか支給していない。サービスが受けられない時間帯は、いずれも持病のある高齢の妻が介護をしているという。

 長岡弁護士は「障害者自立支援法では、申請者の生活状況などを踏まえて個別に支給額を決定すべきだとしており、一律に8時間とするのは違法」としている。

<以下追加引用> 裁判勝訴確定
◆訪問介護21.5時間に拡大 ALS訴訟判決受けて 和歌山市
 2012.5.30 産経ニュース

 和歌山市は29日、筋肉を動かす神経が徐々に侵されていく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を患う市内の70代男性について、介護サービス提供時間を1日21時間以上に拡大するよう義務付けた和歌山地裁判決を受け、介護時間を現在の1日約12時間から約21.5時間に見直した。

 市担当者が11日に男性方を訪れ、人工呼吸器が必要不可欠な男性の生活ぶりや妻の健康状態などを調査。結果を受けて市の審査会は28日、男性の訪問介護時間を1日約21.5時間に拡大するのが妥当とする意見をまとめた。

 市は意見に従い、訪問介護の拡大を決定。70代の妻は産経新聞の取材に「介護の不安が和らぎ、気分も少し楽になった。主人も喜んでいます」と話した。

 和歌山地裁は「(1日約12時間とした)市の決定は合理性に欠き、患者の生命、身体、健康の維持に重大な危険が発生する恐れがある」などとして、提供時間拡大を義務付ける判決を言い渡した。男性も市も控訴せず、判決は今月11日で確定した。

◆ALS介護延長 妻「やっと終わった」
 2012年05月30日 朝日新聞和歌山版

◎24時間はかなわず
 和歌山市が29日、4月の和歌山地裁の判決を踏まえ、市内に住む筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性患者(75)の訪問介護時間を1日あたり約12時間から約21・5時間に増やしたことを受け、男性の家族や訴訟の支援を続けてきた関係者には喜びが広がった。決定までに時間がかかったことや、求めていた24時間介護が認められなかったことには不満の声も漏れた。

 判決を受け、市障害者支援課の担当者2人が今月11日に男性宅を訪れ聞き取り調査した。「妻の心身の状況を十分に考慮していない」と判決で指摘されたため、市側は男性の健康状態や、介護をする妻(74)がひざの具合が悪く、立ったり座ったりするにも苦労している実態などを詳しく聞いたという。

 市はこれまで男性の介護は基本的に妻1人で十分可能として、ヘルパーによる訪問介護時間を1日約12時間と決めていた。同課の担当者は今回、介護時間を増やした理由について、「妻の体の状態を考えると、単独での介護は難しいと判断した」と説明する。

 市は判決の指摘や調査内容を踏まえ障害者自立支援法に基づく昨年6月から今年5月までの男性の重度訪問介護の時間を増やし、介護保険分と合わせて1日計約21・5時間が必要と判断。さらに今年6月以降の1年分についても同様の訪問介護時間にすることを決め、29日午前に市の担当者が男性宅を訪問し伝えた。

 妻から訪問介護時間が増えたことを伝えられた男性はベッドの上でかすかに口元を動かし、笑顔を見せた。妻は「私の介護負担を心配していたので、安心したのでは」とほほ笑んだ。

 ただ最初に県に不服審査請求を申し立てた10年7月から2年近くかかったことを振り返り、「結果がなかなか出ないので疲れた。やっと終わった」とほっとした表情を見せた。

 訴訟の支援を続けてきた在宅介護支援センター和歌山生協病院の森田隆司事務長は「介護時間が増えたことは一つの区切りだが、介護をする妻の体の調子が悪いので、毎日が緊急事態に追い込まれている。やはり求めていた24時間の訪問介護を市は認めてほしかった」と述べた。(上田真美、加藤美帆)
by negitoromirumiru | 2010-09-17 16:19 | 福祉 | Comments(0)


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