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変わる子どもの読書-量も読解力も低下

変わる子どもの読書-量も読解力も低下
2010年8月25日 産経新聞

 ■「表紙で選ぶ」「夏だけ」…活字離れ進む

 パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機…と、子供たちが向き合うメディアが多様化した現在、彼らの読書はどうなっているのか。専門家らは読書量や読解力の低下、その背景にある物語性の低い児童書の傾向など、多くの課題を指摘する。(草下健夫)

 ◆さらに二極化

 「本をどんどん読む子が『面白かった』と話し、周りの子に本のことが口コミで広がることがある。一方で、読まない子、漫画や電車の本ばかりで壁を作ってしまう子もいる」

 東京都狛江市で7月に開催された「子どもの本全国研究集会」(日本子どもの本研究会主催)。パネルディスカッションで、千葉県市川市立小学校の学校司書、太田和順子さんは子供たちの読書における二極化を指摘した。家庭環境が崩壊し、読書どころではない子も増えているという。

 埼玉県三芳町立図書館副館長の代田(しろた)知子さんも「子供が確実に本を読まなくなっている。活字の詰まった本は読もうとせず、『表紙で選ぶ』『夏にしか読まない』という子も」と、活字離れの進行を憂慮。また、最近の児童書の傾向として「しっかりした物語世界を持たず、お笑い番組のようなギャグや笑わせるような内容が目立つ」とし、「それで“読書”につながるのか」と疑問を投げかけた。

 書店の課題を提起するのは、日本児童図書出版協会広報委員長で偕成社編集部の今野(こんの)弘志さん。「書店には売れている本、テレビ番組を基にしたような絵本が多くなっている。『どんな本がいいですか』と聞いても答えられない、本を知らない店員が増えた」。身近な町の書店が減っていることも子供を読書から遠ざけている要因という。

 一方、児童文学者で元教員の依田(よだ)逸夫さんは「(児童書は)書いても無駄とまでは言わないが、初版部数が少ない。書店がなかなか置いてくれず、しかもすぐ店頭から引っ込めてしまう」と書き手の悩みを明かす。

 ◆図書館活用が鍵

 読解力の低下も気がかりだ。今野さんは「かつて小学3、4年生向けに出した本でも高学年が読むなど、今は想定より2年ほど上の子が読んでいる」と話す。

 本は、子供が調べものを通じて知識を高める役割も持つ。明治学院大学教授の下田好行さん(学習指導学・教材開発論)は「国語の授業では、教科書の作品を緻密(ちみつ)に分析的になぞる授業が多く、子供も教師も疲れてしまっている。もっと学校図書館を活用し、自分で情報を集め、考えて表現する指導を」と強調する。

 今年は国民読書年だが、本は子供からますます縁遠い存在になりつつある。日本子どもの本研究会会長の黒澤浩さんは、教員経験を基に「学校と家庭に“読書のベルト”をかけよう」と呼びかける。例えば、教員と生徒で作る学校図書館便りの充実は、父母も目にするため効果的だという。

 ■「よく読む」「時々読む」高校生は半数以下

 活字離れの傾向は特に高校生で著しいことが、Benesse教育研究開発センター(東京都新宿区)の「子ども生活実態基本調査」で浮かび上がった。調査は昨年8~10月、小学4年~高校2年生の1万3797人について調べた。

 それによると、漫画や雑誌以外の本を「よく読む」「時々読む」は小学生が61.1%、中学生56.3%、高校生47.2%と、年代を追って低下。5年前の前回調査と比べると小学生は2.7ポイント微増したが、高校生は5ポイント低下している。

 新聞記事を読むのも高校生は前回より11.8ポイント低下し、33%にとどまった。

(春之介のコメント)
活字離れ⇒マンガとは単純にはいかないだろうが、視覚的なインパクトではなく創造力を発揮できる活字読みは特に子どもたちに必要な時間だ。

ただ、ハリー・ポッターのように内容が面白ければ子どもたちも読みたくなるだろう。

記事にあるように、自分から図書館を活用し調べて表現するような環境を作りたい。

日本の子どもは、不毛な受験勉強のために大きく歪んでいる。

答がないのが人生であり、子ども時代は遊んで友達を作り好きなことに没頭する大切な時間だから、読書をすることをなど結果を求められない活動をすることが大人を作る基礎となるだろう。
by negitoromirumiru | 2010-08-28 04:30 | 生活 | Comments(0)


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