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「医療行為」見直しを 重度障害児の家族ら要望提出へ

「医療行為」見直しを 重度障害児の母ら要望提出へ
2010年5月10日 中日新聞

 重度の障害で自宅療養する子どもの親たちが、たんの吸引などの負担を背負い込んでいる。医師法でたんの吸引は医師や家族のみができる「医療行為」とされ、ホームヘルパーは合意文書を交わした場合に特例的に認められるという制度の壁があるためだ。愛知県一宮市の主婦らが所属する保護者の団体は「吸引できる人が拡大すれば、子どもたちの社会参加の機会が増える」として、体制整備を求める要望書を今週にも厚生労働省などに提出する。
 生後間もなく低酸素脳症になった一宮市木曽川町玉ノ井の宮田晴叶(はると)君(4つ)。起きているときは1時間おきにたんがたまるので、母幸恵さん(30)が絶えず付き添い、吸引器で処理する。
 週に1日頼んでいるホームヘルパーは合意文書がないため吸引ができない。保育園に通う兄(6つ)と弟(2つ)が病気になった時などは、医師法では認められないものの、善意で手伝ってくれる友人に吸引をしてもらっている。
 「兄弟が大きくなれば、外出の機会も増える。ヘルパーさんはよくしてくれるけど、友人などの素人でもできるぐらいの作業が頼めないなんて…」と幸恵さんは困惑。「この子と生きていくため、家族の負担を減らして」と訴える。
 厚労省は2003年に筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の在宅患者について、05年にはその他の疾病在宅患者についても、医師や家族以外の第三者によるたん吸引を特例的に認めた。
 しかし、現行制度で吸引はヘルパーの業務とされず、個々のヘルパーと患者や家族が同意書を交わしたうえで行っている。危険を伴う作業にもかかわらず、責任はヘルパー個人が負う仕組みのため、全国ホームヘルパー協議会(東京)は「ヘルパー個人の意欲に頼っているのが現状。(ヘルパーを派遣する)事業所は尻込みしてしまう」と指摘する。
 要望を提出する「人工呼吸器をつけた子の親の会」(大阪府箕面市)によると、同会に所属する呼吸器を付けた小児の在宅患者は発足時の1990年に全国で1人しかいなかったが、機器の進歩などによって現在は会員の子どもだけで200人以上。会員以外も含めれば推計で1000人ほどに増えているとみられ、ヘルパーによる吸引を求める声は強い。
 厚労省医事課の担当者は「現行制度の見直しを検討する方針は決まっている」と話すが、見直しの具体的な内容は未定で、保護者らは動きが鈍いと感じている。経管栄養チューブの挿入やカテーテルによる排尿など、吸引以外の日常的な介護作業には特例措置もないのが実情だ。
 親の会の折田みどり事務局長は「きちんとした実習を積めば誰にもできる作業ばかり。生活を支援する行為として、医療行為とは切り離してほしい」と訴えている。

 【医療行為】実行することで人体に危害を及ぼすおそれがあるとして医師、歯科医師、看護師以外には禁じられている行為。家族は「本人に準ずる」として、医療行為を行っても医師法違反には当たらない。実態として医師や家族以外の介護者が行っていた行為もあり、体温や血圧の測定、かん腸などは2005年に厚労省が「医療行為ではない」と認めている。

(春之介のコメント)
医療行為ではなく、生活支援行為という位置づけにしてほしいという要望を提出する。

実情にあった判断を望みたい。

厚労省は、政権交代で改革が急ピッチで進んでいるから案外進展する可能性も…。
by negitoromirumiru | 2010-05-12 00:54 | 福祉 | Comments(0)


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