国立長崎川棚医療センター 10倍量のインスリン過剰投与後、患者死亡 看護師、手順を踏まず確認怠る   

2016年 09月 24日

①看護師がインスリン過剰投与=10倍量、80代女性死亡―長崎
 2016年9月23日 時事通信社

 国立病院機構長崎川棚医療センター(長崎県川棚町)は23日、20代の看護師が誤って、糖尿病の80代女性に本来投与すべき量の10倍のインスリンを投与し、女性が死亡する医療事故があったと発表した。

 同センターによると、女性は感染症や糖尿病のため8月8日に入院。31日午前0時半に大量のインスリンが投与され、同日午前9時ごろ心肺停止状態で発見され、死亡が確認された。

 看護師は専用の注射器を使用せず、投与前の複数人での確認も怠った上、女性の血糖値を測らずに架空の数値を2回にわたりカルテに記載していた。看護師は「初めてやると知られたくなかった。1人でもできると思った」と話しているという。

 宮下光世院長は「大変遺憾で心からおわびする。調査を進め再発防止に努めたい」と話した。

②10倍のインスリン投与、80代女性死亡 長崎の病院
 2016年9月23日 朝日新聞

 国立病院機構長崎川棚医療センター(長崎県川棚町)は23日、80代の女性患者に糖尿病治療薬のインスリンを必要量の10倍投与する医療ミスがあったと発表した。女性はその後死亡。解剖ができておらず因果関係は不明だが、病院側は女性が回復傾向にあったとして、過剰投与と死亡に「なんらかの影響があった」とみている。病院側はミスについて県警に届け出た。

 医療センターによると、女性は糖尿病などを患い、8月8日に入院。インスリンを含む栄養補給の点滴を受けていた。8月30日夜に、20代の看護師が医師の指示の10倍の量のインスリンを点滴で投与。女性は点滴から約8時間後の31日朝に死亡が確認された。看護師は専用の注射器を使わず、センターの手順で定められている複数人でのチェックも怠っていた。看護師は点滴を通してのインスリン投与は初めてだったが「自分一人でもできると思った」と話しているという。また、女性の血糖値を測定せずに架空の数値をカルテに記録していたことも判明。看護師は「女性の状態が安定していたので異状はないと思って測定しなかった」と話しているという。

 医療センターは、医療事故調査・支援センターに報告し、第三者による検証を行うという。

③インスリン過剰投与で患者死亡
 2016年09月23日 NHK長崎放送局

川棚町の長崎川棚医療センターで先月、80代の女性患者に必要な量の10倍のインスリンが投与され、その後、死亡していたことが分かりました。センターは、死亡との因果関係は不明だとしていますが、医療事故として遺族に謝罪しました。

長崎川棚医療センターによりますと、先月31日未明、糖尿病などの治療で入院していた80代の女性が血糖値を下げるインスリンを投与され、およそ8時間後に死亡したということです。
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その後のセンターの調査で、投与した20代の看護師が、本来使用すべき容量の少ない専用の注射器ではなく、通常の大きさの注射器を使い必要な量の10倍のインスリンが投与されていたということです。

また、センターではインスリンを投与する際、2人1組で確認することになっていますが、看護師は1人で投与したということで、センターの調査に対し「インスリンの投与が初めてだったことを同僚に知られたくなかった」と話しているということです。

また看護師は、投与の前日の夜と当日の朝に行うことになっている血糖値の測定を実際にはしていないのに、したように装い、カルテに数値を記載していたということです。

センターはインスリンの過剰な投与と女性の死亡について因果関係は不明だとしていますが、医療事故として遺族に謝罪したということで、宮下光世院長は「大変遺憾な行為だ。さらに調査を進め再発防止に努めたい」と話しています。

④インスリン過剰投与後死亡…長崎の国立医療センター
 2016.9.23 産経WEST

 国立病院機構長崎川棚医療センター(長崎県川棚町)は23日、県内の80代女性患者にインスリンを過剰に投与する医療ミスがあったと発表した。女性は死亡し、過剰投与と死亡の因果関係について、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)と県警に調査を依頼した。

 医療センターによると、女性は糖尿病を患い、感染症を起こして8月8日から入院。同31日午前0時半から栄養とインスリンの点滴を受けたが、20代の看護師はインスリン専用の注射器があるのを知らず、一般の注射器を使用し、必要量の10倍を投与。女性は約8時間半後、心肺停止で見つかった。

 投与前に別の看護師に確認してもらうルールを怠っており、投与後も血糖値を測定しないまま適当な数値を電子カルテに入力、ミスに気付かなかった。

 さらに、患者は心電図モニターを付けていたが、アラームが故障して鳴らず、体調の急変がすぐに分からなかった。

 担当した看護師は点滴によるインスリン投与が初めて。医療センターの調査に「初めてと知られたくなくて、他の看護師に確認してもらわなかった」と話しているという。

⑤川棚医療センター・インスリン過剰投与の医療事故
 2016年9月23日 KTNテレビ長崎

東彼・川棚町の国立病院機構「長崎川棚医療センター」に入院していた糖尿病患者が、医者が指示した10倍のインスリンを投与され、死亡するという医療事故があり、病院側は、会見を開いて謝罪しました。

長崎川棚医療センター 宮下光世院長
「患者さん、ご遺族に、心からお詫び申し上げます」

長崎川棚医療センターによりますと、先月31日未明、糖尿病などを持つ80歳代の女性患者に対し、医師が指示した量の10倍のインスリンが、過剰投与されました。朝、看護師が訪れた時は、女性は、心配停止の状態で、医師が死亡を確認しています。投与した20歳代の看護師は、心配停止の3時間前に、血糖値の測定をせず、架空の値をカルテに記録していました。インスリンも、専用の注射器ではなく、一般の注射器で点滴に注入し、他の看護師のチェックを受けるという手順を踏んでいませんでした。「初めての経験でそれを知られたくなかった」と、話しているということです。

長崎川棚医療センター 宮下光世院長
「相談しにくいというパートナーだったかもしれないが、いずれにしても、夜間で人が少なかったということも、一因になっていたとも思う」

センターは、過剰投与が死亡につながった可能性があり、医療過誤による事故として第三者機関と検証を進めるほか、職員の習熟度を高めて、再発防止にあたりたいとしています。

(春之介のコメント)
インスリン専用注射器で0.1ml入れる必要があったが、一般的な注射器で1.0ml注入したこと、そして手順を踏まずに電子カルテへ架空記録と、医療事故が起きる時にはさまざまな要因が連続する。

この問題については、おそらくプロの医療人であれば、よくあることであり高度な問題ではないと判断されるだろう。

ただ、この事案を通しても単にインスリン単位を間違えたというだけでない、多くの問題を含んでいると感じた。

患者死亡との因果関係は、今後、専門機関の検証と警察の捜査に移ることなる。

さて、多くの報道機関が情報を出しているが、それらを総合しないと分からない部分があることが分かる。

この点において、報道記者たちが何を事件の核心と感じているかにより違うという事例としても興味深いものだ。

私が一番気になったのは、⑤テレビ長崎報道で、院長が直接、記者会見で語った内容にあった。
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「相談しにくいというパートナーだったかもしれないが、いずれにしても、夜間で人が少なかったということも、一因になっていたとも思う」(長崎川棚医療センター 宮下光世院長)

つまり夜勤で、おそらく二人勤務で、そして「相談しにくいというパートナーだった」という発言箇所である。

病院側は、この看護師に事情を聞いている訳であり、その際に、こうしたやり取りがあったものと思われる。

この看護師が言い訳している、「初めての経験でそれを知られたくなかった」ということは他の報道でも言及されている。

マニュアルでは、インスリン投与前の確認は二人一組ですると明記してあったが、それをしなかったのも、パートナーに言い出しにくい雰囲気があったのではないだろうか。

看護師は「初めてやると知られたくなかった。1人でもできると思った」と話しているが、それはパートナーに知られたくなかったということだろう。

単にインスリン投与量を間違えたという初歩的なミスが、看護チームの意思疎通が不全であり、そのことに対応できなかった背景が予想できよう。

この看護師の詳しいことは発表されていないが、もし業務上過失致死の疑いがあれば刑事事件として扱われることになる。

ただ、そこまで検証や捜査がされることはないかもしれない。

そして、④装着していた心電図モニターのアラームが故障していたことも偶然とはいえ緊急対応ができなかった要因ともなる。

アラーム故障がなければ対処できたかもしれない。

そして最大の謎は、これが発覚した理由であり、記者会見報道では分からなかった。

看護師本人が申告したのだろうか!? 本人は単位のミスはいつ分かったのだろうか。


非常にうがった見方を記してきたが、院長の一言が引っかかって、この病院の抱えている問題も垣間見えたような気がした。


追記
病院HPから 地域包括ケア病棟等を除き「2交替制、3人夜勤
病棟紹介  http://www.nkmc.jp/byoutou.html

記者会見では、院内で検証委員会を作るとの報道はなかった。

この医療センターは全面建替工事を開始しており、そこに全ての資源を集中していたので、このようなことでエネルギーを割かれるのは頭の痛いことだろう。

追記 発覚の経緯が判明!
今月2日、この看護師が別の患者用に点滴液を準備する際、専用注射器を使っていないことに同僚が気づきミスが発覚した。看護師は一連の処置が未経験で、処置方法を知らなかった。調査に「初めてということを知られたくなく、相談もできなかった」などと話したという。本来は8時間に1回の血糖値測定も実施せず、虚偽の数値をカルテに書き込んでいたことも分かった。

事故は医療事故調査・支援センターに報告し、検証するほか、川棚署にも相談しているという。
【小畑英介】 〔9/24毎日新聞長崎版〕

なお事案を長崎県警に②「届け出た」、④「調査を依頼した」、毎日新聞地方版+⑥「相談した」と記しており、法律的な手続きであり曖昧であろう。


<以下追加引用>
⑥インスリン10倍投与、糖尿病患者死亡…看護師のカルテに虚偽
 2016年9月26日 読売新聞(ヨミドクター)

 長崎県川棚町の国立病院機構・長崎川棚医療センターは23日、糖尿病を患う入院中の女性患者(80歳代)に、看護師(20歳代)が誤って指示量の10倍のインスリンを点滴で投与し、死亡する事故が起きたと発表した。

 看護師は、点滴を使ったインスリン投与が初めてで、決められた手順を踏まず、カルテには虚偽の血糖値を記入するなどしていた。

 センターによると、事故は8月31日に発生。看護師は、血糖値を下げるインスリンを注射器を使って点滴に注入した際、指示量は0・1ミリ・リットルだったのに1ミリ・リットルを入れ、午前0時30分頃に投与を始めた。同8時50分頃、病室を訪ねると、患者は心停止状態だったという。

 看護師は、点滴を使ったインスリン投与の経験がなく、専用の注射器ではなく、1目盛りの量が10倍の一般の注射器を使っていた。この日は、2人で行う投与前の確認を怠っていたほか、定時(午前6時)の血糖値測定をせず、カルテに虚偽の数字を記入していた。

 患者の心拍監視装置も故障していたため、心拍数低下時に作動するアラームも鳴らなかった。

 投与前の確認を2人で行わなかった理由について、看護師は「(同じ夜勤の同僚に)点滴に注入するのが初めてだと知られたくなかった」と話している
という。

 センターは遺族に謝罪し、第三者機関「医療事故調査・支援センター」にミスを報告するとともに、県警に相談した。宮下光世(こうせい)院長は「死因は特定できていないが、過剰投与と関連があるとみている。心からおわび申し上げたい」と述べた。

 医療事故の被害者らでつくる市民団体「医療の良心を守る市民の会」(事務局・千葉県浦安市)の永井裕之代表は「看護師がミスを起こした背景を明らかにし、病院の体制の見直しにつなげる必要がある。一個人の責任にしてはならない」と指摘した。


<以下参考>
「インスリン単位の誤解」 - 医療事故情報収集等事業 PDF
医療安全情報 No.6 2007年5月 財団法人 日本医療機能評価機構
http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_6.pdf

医療事故刑事裁判事例のエラーによる類型 - 財団法人生存科学研究所
www.dental-review.com/seizon/0108.html

<以下関連引用>
医療事故
インスリンを患者に過剰投与 県立がんセンター /静岡
2015年9月30日 毎日新聞地方版

 県立静岡がんセンター(長泉町)は29日、糖尿病の持病があった県東部の60代の男性入院患者にインスリンを過剰投与する医療事故があったと発表した。男性は意識不明に陥った後、8日後に死亡した。ただし、男性は末期の上顎(じょうがく)がん患者で、肺炎も併発し、脳梗塞(こうそく)も発症していたため、死亡との因果関係は不明という。

 センターによると、医師が「血糖値が高くインスリンを投与した場合、30分後に血糖値の再測定を」と電子カルテで指示したところ、20代と40代の2人の看護師が「再測定で血糖値がなお高かった場合はさらに投与が必要」と誤解。3時間20分の間に計6回投与した。インスリンは効果発生までに30分~1時間必要なタイプだった。患者は一転して低血糖で意識不明に陥り、8日後に亡くなった。

 センターは、過剰投与について遺族に謝罪。また電子カルテでの指示の文言を明確化する改善をしたという。【石川宏】
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# by negitoromirumiru | 2016-09-24 08:17 | 医療 | Comments(0)

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